研究課題
挑戦的研究(萌芽)
プレートテクトニクスは地球表層で起こる諸現象を支配する重要な地質現象である。1950年代以降、数多の研究が為されたが未解明課題も多い。その一つがプレートテクトニクスの開始時期である。これを制約する事は、地球が経てきた熱史や、地球でのみプレートテクトニクスが起こる原因解明などの重要課題にも波及する重要な研究テーマである。我々が持つ技術的優位性(局所珪素同位体分析)及び物質的優位性(冥王代ジルコンの保持)を生かし、誰もなし得ていない冥王代(40億年前以前)のプレートテクトニクスの有無を再検証する。
現在の地球表面は十数枚のプレートに分かれており、いずれのプレートも絶えず側方運動しており、これをプレートテクトニクスと呼ぶ。1950年代にその理論が提唱されて以降、数多の研究が為されたが未解明課題も多い。その一つがプレートテクトニクスの開始時期である。理論的予測からは地球形成直後は硬殻型対流であり、その後プレートテクトニクスに移行したと考えられている。両対流様式では地球表層及び深部域の物質循環に決定的な違いがあり、プレートテクトニクスでは海洋プレート等の地球表層物質がマントル深部へと運ばれる。そのため、初期地球の岩石記録から表層物質の深部輸送の痕跡を得る事ができれば、プレートテクトニクス駆動の揺るぎない物的証拠と言える。地球表層で形成される堆積岩は高い珪素同位体比を持つ。深部で形成される年代既知の深成岩及びその中の鉱物中に高い珪素同位体比を見つける事ができればプレートテクトニクスへの移行時期に制約を与えられる。本研究ではジルコン局所珪素同位体測定を立ち上げ、それを初期地球ジルコンへ応用する事を想定していた。しかし、ブランク由来の珪素の影響が最後まで排除できず、局所珪素同位体比の測定には到達する事が出来なかった。その代替として、ジルコンの微量元素を用いて議論を行った。具体的には海洋プレートの沈み込みによって形成されるジルコンと、硬殻型対流の中で深部プルームに由来するジルコンでは、Nb/P比に違いがあり、これに着目する。既存のデータ及び共同研究者のジルコンの組成データを編纂すると、42億年前以前のジルコンは全て深部プルームに由来するジルコンであったのに対し、42億年前以降のジルコンには海洋プレートの沈み込みによって形成されるジルコンが多数を占める。よって、42億年前には既にプレートテクトニクスが稼働していた事を明らかにできた。
すべて 2024 2023 2022 その他
すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 3件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
Island Arc
巻: 33 ページ: e12539
10.1111/iar.12539
Geoscience Frontiers
巻: 15 ページ: 101771~101771
10.1016/j.gsf.2023.101771
Communications Earth & Environment
巻: 5 ページ: 328
10.1038/s43247-024-01498-1
Geobiology
巻: 22 ページ: e12617
10.1111/gbi.12617
Chemical Geology
巻: 670 ページ: 122421~122421
10.1016/j.chemgeo.2024.122421
Journal of Geography (Chigaku Zasshi)
巻: 133 ページ: 195~218
10.5026/jgeography.133.195
巻: 32(1) ページ: e12475
10.1111/iar.12475
巻: 31 ページ: e12455
10.1111/iar.12455
巻: 31 ページ: e12466
10.1111/iar.12466
Geostandards and Geoanalytical Research
巻: 46 ページ: 5~19
10.1111/ggr.12410
Earth and Planetary Science Letters
巻: 585 ページ: 117510~117510
10.1016/j.epsl.2022.117510
Journal of Analytical Atomic Spectrometry
巻: 37 ページ: 1076~1083
10.1039/D1JA00351H
https://y-sawaki.jimdofree.com/