研究課題/領域番号 |
22K18731
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
田阪 美樹 静岡大学, 理学部, 准教授 (80772243)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 変形組織 / 多相系 / 応力計 / 電子線後方散乱回折 / 応力 / 粒径差応力計 / かんらん岩 / 定常状態 |
研究開始時の研究の概要 |
粒径差応力計は粒径から過去に岩石が被った最大応力を見積もる方法で(1)変形組織が定常状態であること(2)変形が岩石を主に構成する鉱物の変形で近似できることを仮定している。しかし近年地震発生帯の応力について「既報の差応力計から予想される断層岩の応力は地球物理学的なモデルから見積もられる応力より2桁程度大きくその差を説明できない」という問題が指摘されている。申請者はこの原因として既報の差応力計の仮定に問題があると考える。そこで本研究はかんらん岩の高歪み変形実験と材料学的な知見を基にした詳細な微細構造解析を行うことで「定常状態の変形組織に達した多相系天然岩石」に適用できる新しい差応力計を開発する。
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研究実績の概要 |
本研究は「定常状態の変形組織に達した多相系天然岩石から変形時の情報を読み取るために新しい差応力計を開発する」ことを目的に研究を進める。 昨年度は世界で唯一マントルかんらん岩の大変形を伴うねじり実験が可能な、米国ミネソタ大学Kohlstedt研究室所有のパターソン型ガス圧式変形試験機で変形実験を行った。かんらん石と輝石の量比の異なるかんらん岩(輝石の体積分率=1, 15, 25, 35%)の試料を用いて、歪み100%以上の定常状態に達した変形組織と変形実験時に得られる応力、ひずみ、時間の関係を示す力学データを得ることに成功した。 本年度は、この変形実験試料について詳細な岩石組織解析を行うために、静岡大学機器分析センター所有のフィールドエミッション型電子顕微鏡と電子線後方散乱回折(EBSD)システム(FE-SEM, JXA-iHP200F; EBSD, Oxford-symmetry)を用いた分析方法の検討を行った。具体的にはサブミクロンスケール(~0.1ミクロンのステップサイズ)の微小領域における多結晶体試料の結晶方位を測定するために、(1)EBSDフォルダーの設計と改良、(2)分析時のキャリブレーション法の検討、(3)組織解析のためのマトラボ・プログラムの改良を行った。これらの検討により、微小領域の高解像度結晶方位マップを用いたかんらん石多結晶体における粒子スケールの転位の密度分布の解析が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までに計画通り変形実験を行い、今年度は試料の分析方法の改良を行った。おおむね計画通り研究は進行していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
変形実験で得られた力学データと、微細構造解析の結果を合わせて、パラメータ抽出を行い先行研究の結果と比較する。
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