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C型小惑星ファミリー母天体の大規模破砕の年代学的考察

研究課題

研究課題/領域番号 22K18735
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
研究機関大阪大学

研究代表者

寺田 健太郎  大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (20263668)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワード小惑星リュウグウ / C型小惑星 / 炭素質隕石 / 同位体分析 / U-Pb年代 / SIMS / 局所分析 / はやぶさ2 / 年代分析 / 質量分析
研究開始時の研究の概要

地球近傍C型小惑星リュウグウのラブルパイル構造は、かつて存在した大型の小惑星が破砕し、その岩塊が最集積したことを如実に物語っている。またC型小惑星オイラリア族は、その約1800個の小惑星群の特異な軌道分布から、100km超の母天体が約8.3億年前にカタストロフィックに破砕した残骸と考えられている。地球に飛来する炭素質隕石は、このようなC型小惑星の破片である可能性が高い。しかしながら炭素質隕石の衝突年代史の報告は皆無である。本計画では、結晶化年代と衝突年代の2つの年代を導出することができるU-Pb系に着目し、熱変成の痕跡のある炭素質隕石のU-Pbシステマティックスを精査する。

研究実績の概要

2022年度に引き続き、小惑星リュウグウ微粒子、CI隕石に分類されるOrgueil、Yamato-980115、Yamato-86029のU-Pb年代分析のデータ解析を行なった。その結果、7.8億年前より最近に衝突破砕が起こったことを明らかにし、これらをCI隕石群の衝突史の論文としてまとめた(現在投稿中)。
また新たに2次的な熱変成を経験した炭素質コンドライトNWA11024(CM隕石)、Yamato-86789(CY隕石)のU-Pbシステマティックスを東京大学大気海洋研究所のNanoSIMSで精査した。その結果、同隕石中のリン酸塩鉱物は有意にdiscordiaであり、NWA11024からは 形成年代 5233±350Ma、変成年代 589±450Ma(2σ)、Yamato-86789からは形成年代4.5±1.9 Ga、変成年代1.5±3.3Ga(2σ)を得た。このような若い年代のU-Pb系を乱した熱源として、短寿命核種26Alの放射壊変熱は考えられないことから、天体衝突と考えるのが妥当である。本結果はHeated CM隕石のU-Pb系を調べる初めての試みで、有意な衝突年代値を得ることができたことから、5月の日本地球惑星科学連合大会での発表を準備している。また今後は他のHeated CM隕石にも展開し、CM母天体の衝突史を明らかにしていく予定である。
これらの分析を効率よく進めるためには、東京大学のNanoSIMS以外の設備でも並行して分析する体制が不可欠である。韓国基礎科学研究所SHRIMPセンターや、北京SHRIMPセンターとの協力体制を構築するとともに、大阪大学でもフェムト秒レーザーによるポストイオン化を基盤とする独自の局所U-Pb年代分析法の開発に着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究はHeated CM隕石のU-Pb系を精査する初めての試みであり、誤差は大きいものの5.9±4.5億年(2σ)という有意な若い衝突年代値を得た。その意義は大きい。

今後の研究の推進方策

希少なHeated 隕石を6個、入手した。これらの分析を効率よく進めるためには、東京大学のNanoSIMS以外の設備でも並行して分析する体制が不可欠である。韓国基礎科学研究所SHRIMPセンターや、北京SHRIMPセンターとの協力体制を構築するとともに、大阪大学でもフェムト秒レーザーによるポストイオン化を基盤とする局所U-Pb年代分析法の開発を本格的にすすめる。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] ミュンスター大学(ドイツ)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 素粒子ミュオンによる小惑星リュウグウの非破壊元素分析2024

    • 著者名/発表者名
      寺田健太郎、二宮和彦
    • 雑誌名

      日本物理学会誌

      巻: 79 号: 1 ページ: 24-29

    • DOI

      10.11316/butsuri.79.1_24

    • ISSN
      0029-0181, 2423-8872
    • 年月日
      2024-01-05
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] ミュオン非破壊分析で見えてきた小惑星リュウグウの素性2023

    • 著者名/発表者名
      寺田健太郎、二宮和彦
    • 雑誌名

      日本中間子科学会誌「めそん」

      巻: 57 ページ: 6-10

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Formation and evolution of carbonaceous asteroid Ryugu: Direct evidence from returned samples2023

    • 著者名/発表者名
      Nakamura T.、Matsumoto M.、Amano K.、Enokido Y.、Zolensky M. E.、Mikouchi T.、Genda H.、Tanaka S.、Zolotov M. Y.、Kurosawa K. .. Yabuta H. ... et al.
    • 雑誌名

      Science

      巻: 379 号: 6634 ページ: 8671-8671

    • DOI

      10.1126/science.abn8671

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] NanoSIMSを用いたYamato-86029リン酸塩鉱物のU-Pb年代分析2022

    • 著者名/発表者名
      横路友翼, 藤谷渉, 寺田健太郎, 小池みずほ, 高畑直人, 佐野有司, 福田航平
    • 学会等名
      日本地球科学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-07-05   更新日: 2024-12-25  

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