研究課題/領域番号 |
22K18747
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
道畑 正岐 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (70588855)
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研究分担者 |
高橋 哲 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30283724)
門屋 祥太郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (60880234)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 細径光ファイバー / Mie散乱 / 近接場 / インプロセス計測 / 光ファイバ / 直径計測 / テーパ光ファイバー / 細径ファイバー / 定在波 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、光学手法による次世代極細光ファイバ (直径100 nmから数μm)の直径を10 nm以下の精度で“その場”計測する新規原理を提案し、その計測原理の実験検証および精度評価を目的とする。Mie散乱理論を基にした従来の光学計測手法は、光ファイバの直径が光波長以下になると、直径推定は難しい。我々はこの限界の突破に挑戦する。2方向から光を照射する定在波照明は、照明光が空間的強度分布を持ち、光強度ゼロの破壊的干渉位置には散乱光は発生しない。つまり、照明光強度分布を掛け合わせた散乱光強度分布が得られるため、φ700nm以下でも、直径変化に対する散乱光強度分布の変化が得られ、高精度計測できる。
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研究実績の概要 |
マイクロ・サブマイクロファイバーは様々な分野で用いられており、マイクロ/サブマイクロファイバーの品質管理は、今後、さらに重要になることが考えられる。中でも、直径は最も基本的で重要なパラメータの一つであるその直径は、100ナノメートルから数10マイクロメートルに及ぶ。しかし、その光ファイバの要求を満たす計測手法は存在しない。そこで、本研究では、その場直径計測する新規光学計測原理を提案する。Mie散乱理論を基にした従来の光学計測手法は、光ファイバの直径が光波長以下になると、直径推定は困難となる(計測限界はφ700 nm程度)。我々はこの限界の突破に挑戦する新規計測原理を提案する。2方向から光を照射する定在波照明は、照明光が空間的強度分布を持ち、光強度ゼロの破壊的干渉位置には 散乱光は発生しない。つまり、照明光強度分布を掛け合わせた散乱光強度分布が得られるため、φ700 nm以下でも、直径変化に対する散乱光強度分布の変化が得られ、高精度計測できる。具体的には、定在波の位相によって、強度の谷の角度位置がずれるが、前方散乱光と後方散乱光の強度分布は変化しない。強度の谷の位置のシフト傾向は、ファイバー径に敏感に依存する。従って、強度の谷の位置ずれを測定することで、ファイバ径を求めることができる。 本研究で得られた成果をまとめる。 (1) 定在波の空間位相を積極的に制御することで、散乱光強度分布が変化した (2) その変化傾向の解析から、直径約500 nmの光ファイバの直径を30nmのばらつきで測定することができた (3) 測定された直径は、SEMによる測定値とよく一致した これらの結果から、本手法の精度は数十ナノメートルであることが検証された。
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