研究課題/領域番号 |
22K18758
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
杉原 達哉 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90637539)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 超音波振動 / Blaha効果 / 塑性学 / その場観察 / トライボロジー / 塑性変形 / 塑性加工 |
研究開始時の研究の概要 |
金属の塑性変形時に超音波振動を付与することによって変形抵抗が低減する現象は,「Blaha効果」として広く知られ,金属加工への積極的な展開が進められている.本研究では,同効果の理解と応用のためには,同効果による「体積効果」と「表面効果」とを明確に切り分け,かつ定量的な指標によって評価すべきであるという考えのもと,「超音波振動下における材料の塑性流動現象のin-situ観察」による評価手法の確立を図る.本研究は,「変形後の材料の様子や変形抵抗などの評価・観察から,“変形中に何が起きていたのか”を推測する」という従来型のアプローチからの脱却を図るという,極めて挑戦的な試みである.
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研究成果の概要 |
金属の塑性変形時に材料に超音波振動を付与することによって変形抵抗が低減する現象は,「Blaha効果」として広く知られ,金属加工への積極的な展開が進められる一方で,依然として不明な点が多い.そこで研究では,「超音波振動を付与した材料の塑性流動現象のin-situ観察」を実現することにより,同効果のメカニズムや発現条件の解明に取り組んだ.その結果,構築したその場観察手法によって,超音波振動が金属材料の塑性変形挙動に及ぼす影響を可視化することが可能となり,「体積効果」は材料のひずみ・加工硬化挙動に大きな影響を受けること,「表面効果」は潤滑剤の接触界面への供給効果に影響することを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はコア技術である「超音波振動を付与した材料の塑性流動現象のin-situ観察」を駆使することによって,これまで見落とされてきた変形過程における重要な事象・現象の獲得を図るとともに,定量化した指標から超音波振動の「体積効果」と「表面効果」を抽出することによって,“超音波振動がもたらす金属材料の塑性変形挙動の変化”についてより深い理解をもたらすものである.これによって得られた成果は,超音波振動を援用した加工技術の発展に大きく寄与するだけでなく,トライボロジーや塑性力学といった他分野との学際的な発展が期待でき,極めて大きな工学的意義を有していると考えている.
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