研究課題/領域番号 |
22K18760
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
遠藤 達郎 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40432017)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ナノインプリントリソグラフィー / フォトニック結晶 / 細胞膜 / ハイドロゲル / 細胞質 / ナノ構造 / 転写 / 光学センサ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、①細胞膜表層の生体分子の機能・分子構造を損なうことなく、②ナノメートルサイズの構造を転写する技術であるナノインプリントリソグラフィ(Nanoimprint lithography:NIL)を用いて細胞膜へナノ構造を転写する技術を開発することにある。 加えて開発した技術を用いてナノメートルサイズの周期構造を有する光学素子「フォトニック結晶(Photonic crystal: PhC)」を細胞膜上へ作製し、作製されたPhC自体が分子認識・特異的結合能を有する光学バイオセンサとして応用する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、①細胞膜表層の生体分子の機能・分子構造を損なうことなく、②ナノインプリントリソグラフィ(Nanoimprint lithography: NIL)を用いて細胞膜へナノ構造を転写する技術を開発することにある。加えて開発した技術を用いてナノメートルサイズの周期構造を有する光学素子「フォトニック結晶(Photonic crystal: PhC)」を細胞膜上へ作製し、細作製されたPhC自体が分子認識・特異的結合能を有する光学バイオセンサとして応用する。 ナノメートルサイズの構造を転写する技術であるNILには、良好な再現性にてナノ構造を転写可能である。しかしNILは、細胞のように曲率を持った基材に対して構造転写することは高い技術を要するとともに、細胞膜のような流動性のある材料へ化学的に架橋させることなく構造を転写することは困難である。 従来の技術では困難であった「細胞膜タンパク質を変性(架橋)させずにナノ構造を転写、その形状を維持する」技術を開発する本研究は、挑戦的研究として従来のナノ・マイクロ加工技術において加工可能な材料の選択肢を増やすことにつながることで意義がある。 当該年度では、前年度の研究実績から細胞質をハイドロゲル化ことで細胞膜へナノ構造を転写することを試みた。細胞膜へのナノ構造転写には、NIL用の鋳型上へあらかじめ細胞内へPolyethylene Glycol Diacrylate (PEGDA)、光重合開始剤等を取り込ませたHeLa細胞を展開させたのち、加圧しながら光重合にて細胞質をハイドロゲル化させた。その結果、部分的にナノ構造転写を観察することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞質のハイドロゲル化および部分的なナノ構造転写は成功したが、①鋳型が細胞へ挿入されにくい、②加圧時に細胞が破裂する、ことから再現性が低いことが明らかとなった。再現性の更なる向上、転写面積の増大が今後の課題となる。
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今後の研究の推進方策 |
細胞へ鋳型を挿入させるために鋳型表面の親疎水性制御を実施したが、鋳型表面の親疎水性だけでなく、圧力制御が必要である。より細胞が親和性高く鋳型が挿入できるようにするための検討が必要である。 併せて、細胞質をハイドロゲル化させてしまうことから、細胞自体の活性・機能を維持してナノ構造を転写する方法について検討していく。
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