研究課題/領域番号 |
22K18771
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分19:流体工学、熱工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井上 智博 九州大学, 工学研究院, 准教授 (70466788)
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研究分担者 |
王 振英 九州大学, 工学研究院, 助教 (20896633)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 金属液滴 / 液滴 / 連鎖分裂 / 熱物質拡散 / 表面張力 / 高速度可視化 / 数理モデル / 凝縮相 / 分裂 / 温度計測 / 質量分析 / 凝縮相反応 / 発生ガス計測 / 液体金属 / ToF |
研究開始時の研究の概要 |
近年,高温の金属液滴の内部で凝縮相反応に駆動されて発泡し,液滴が連鎖的に分裂を繰り返す,連鎖分裂現象が発見された.特に,沸点よりもはるかに低温で,凝縮相反応に起因して金属液滴内部に気泡生成する点が興味深い.しかし,その機構は流体工学上の未解決課題である.そこで本研究では,二色温度法を適用した高速温度計測と,発生ガス種のその場分析が可能な唯一の手法であるInfi-TOF(マルチターン質量分析)を同期した新しい複合分析法を用いて,まさに連鎖分裂するときの液滴温度と発生ガス種計測することで,熱流体工学の常識を超えた凝縮相の連鎖分裂機構を探究する.
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研究成果の概要 |
従来の流体工学の知見では,個々の液滴は1回しか分裂しない.対して近年,高温の金属液滴の内部で凝縮相反応に駆動されて発泡し,液滴が連鎖的に分裂を繰り返す,連鎖分裂現象が発見された.しかし現状,なぜ連鎖分裂が発生するのか,という根本的な疑問が未解明であった.そこで本研究では,二色温度法を適用した高速温度計測と,発生ガス種のその場分析を同期した複合分析法を用いて,金属液滴の連鎖分裂機構を探究した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
通常,液体や固体に外力を加えると分裂するが,その回数は1回程度に限られる.対して,炭素鋼やチタンなどの金属液滴は,繰り返し分裂することが知られているものの,その流体力学的機構は未解明であった.本研究は,物理的・科学的実験を通して,金属液滴の連鎖分裂が,雰囲気からの物質拡散によって律速されることを実験と理論から明らかにした.連鎖分裂は,高効率に微小液滴および粉末を製造できることから,近年需要が高まっている金属微粒子製造技術への応用が期待され,本研究によって,その原理的な成立性を実証した.
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