研究課題/領域番号 |
22K18782
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分20:機械力学、ロボティクスおよびその関連分野
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中原 佐 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (00756968)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | キネシン / 微小管 / 光熱効果 / MicroTAS / BioMEMS |
研究開始時の研究の概要 |
生体分子モータと呼ばれるタンパク質(キネシン)と細胞骨格(微小管)の運動系を体の外で再構築し、ナノスケールの輸送機構(微小管運動)として応用する研究がおこなわれている。本研究では光照射箇所での微小管運動の剥離および再進入の要因を明らかにするとともに、本特性を利用した微小管運動の剥離制御技術を確立することが目的である。剥離制御技術が確立できれば、輸送対象を特定の位置で選別できるツールとなるため、微小管運動の新たな制御技術になると考えられる。
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研究成果の概要 |
光照射箇所での微小管運動の剥離および再進入の要因を明らかにするために、本研究では光熱効果が生じるAu/Cr薄膜付きサンプルを製作した。製作したサンプル上に微小管運動を構築し、光を照射したときの微小管を観測した結果、温度上昇量の増加に伴い剥離が生じる時間が減少することを確認した。また、キネシンの駆動源となるアデノシン三リン酸の有無が剥離現象に影響していることを明らかにした。さらに、一度剥離した領域に別の微小管が再進入し、初期密度に比べて約30%まで復元することを確認した。今後は微小管の剥離現象が生じる詳細なメカニズムを検証するとともに、剥離制御技術を用いたアプリケーションを開発する計画である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに、微小管運動の剥離要因としてキネシンの付着密度や微小管長さ等の影響について評価した例は報告されているが、熱による影響を検証し、微小管の剥離現象を制御技術として応用した例は報告されていない。本研究では光熱効果によって生じる微小管剥離の要因と、剥離させた領域へ別の微小管が再進入する要因を検証し、温度上昇量の大きさとキネシンの運動が影響していることを明らかにした。また、任意の光照射領域において最小10 sで微小管を剥離させることができたため、本技術は将来、微小管運動を輸送機構として応用する際、輸送対象を特定の位置で選別できるツールになると考えられる。
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