研究課題/領域番号 |
22K18788
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
イン ユウ 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (10520124)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 学習機能 / 発火機能 / シナプス / ニューロン / 人工知能素子 / 人工知能 / ニューロン素子 / シナプス素子 / 多機能 |
研究開始時の研究の概要 |
最近、医療や交通などの分野への活用が期待される、人工ニューロンと人工シナプスからなる脳型システムが世界中で非常に注目されている。今後、膨大な画像データをリアルタイムで処理する必要となるため、この脳型システムは極めて重要である。本研究では、作製プロセス簡略化、コスト削減のために、まず、他原子導入により全く新しいカルコゲナイドニューロン機能材料を探索する。次に、この新規機能材料を用い、学習機能を持つシナプス部分と発火機能を持つニューロン部分からなる、機能を持ち合わせた、画期的な人工ニューロン素子を創製する。
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研究実績の概要 |
最近、医療や交通の分野への活用が期待される、革新的コンピューティング技術として、人工ニューロンと人工シナプスからなる脳型システムが世界中で非常に注目されている。今後、膨大な音声や画像データをリアルタイムで処理する必要があるため、この脳型システムにおける高集積化と低消費電力化などは極めて重要である。本研究では、入力信号履歴に応じての結合荷重変化機能(学習機能)を持つシナプス部分と情報を発信する機能(発火機能)を持つニューロン細胞部分からなる人工知能素子を創製することを目的とする。 第一原理計算結果に基づき、NとOを添加したSb2Te3材料に注目した。作製した素子にスイープ電流Iを0.0-1.0 mAまで0.05 mA間隔で印加し、その後1.0-0.0 mAまで0.05 mA間隔で電流を下げた。電流とともにこのときの電圧の変化を記録していき、コンダクタンスGを算出した。スイープ電流印加によるG-I特性の比較では、従来の材料のSb2Te3素子において、0.25 mA を超えると、結晶化が急に進んで、それに伴い、コンダクタンスが上昇したスイッチングが見られた。しかしその後ほぼ変わらない。そこで、この従来の材料Sb2Te3素子では、人工知能素子として、急なスイッチングを利用することで、情報を発信する機能(発火機能)を持つことができると考えられる。これに対して、NとO添加Sb2Te3を用いた人工知能素子において、その急なスイッチングの他、緩やかなコンダクタンス上昇も観測された。これにより、入力信号履歴に応じての結合荷重変化機能と情報発信機能(発火機能)を併せて持つことができる。以上の材料の他に、NとTiを添加したZn5Sb3Teを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
以下の理由で研究が遅れてしまった。①新たに担当する授業の準備と大学の委員担当の負担が予想以上に大きくなってしまい、この研究に十分な研究時間を確保できなくなった。②インフルエンザに感染してしまい、重い後遺症(頭痛や眩暈)が2か月程度も続いていた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は授業準備や委員担当の負担が減るので、研究時間を確保している。また、体調が回復しており、今後は体調管理に十分に気を付ける。学生を指導し、研究をスムーズに進めることができると確信している。また、以下の研究を進めていく予定である。 ①有限要素法により多端子素子を設計する。②成膜法と電子線描画法により、設計した多端子素子を作製する。③電圧パルスを各端子に印加し、荷重係数に相当するコンダクタンスの変化を評価する。これにより、電気パルス印加により荷重係数が連続的に変化するシナプスの学習機能を確立する。④電気パルスを各シナプスに同時に印加し、オシロスコープにより出力パルスを検出する。これにより、パルスが出力されるといった発火機能を確立する。
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