研究課題/領域番号 |
22K18799
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
森田 行則 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 上級主任研究員 (60358190)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | SOI / シリコン・オン・インシュレーター / ヘリウムイオン顕微鏡 / HIM / ナノポア / 量子閉じ込め / エッチング / フォトルミネッセンス / ナノシート / 二次元材料 / 超薄膜 / シリコン |
研究開始時の研究の概要 |
酸素分子によるSiエッチングによって、1nm以下まで薄膜化したシリコン極限ナノシートに対し、走査型ヘリウムイオン顕微鏡(HIM)を用いて局所的Heイオン照射を行い、数ナノメートル領域の材料物性制御(改質)を周期的に導入することで、シリコンの伝導特性や光学特性を変調させることを目指す。加工試料の電気的、光学的物性を計測することで、周期的ナノポアアレイドーピングによるナノ物性変調を検証する。
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研究実績の概要 |
令和5年度の概要は下記である。 酸素によるエッチングでおよそ1-3 nmまで薄膜化した(100)方位のシリコン・オン・インシュレーター(SOI)試料に対し、収束Heイオンビーム照射によるナノポアアレイ形成実験を行った。Heイオンビームは約0.35 nmに収束、加速電圧30 keVとし、ドーズ量を変調することによる加工形状の変化、欠陥発生に関し検討した。形状変化はHIMによる試料の二次電子像、欠陥は波長325 nm光を用いたフォトルミネッセンス法により評価した。Heイオンを照射した試料では、照射位置に明るい点が観察され、ドーズを増加するに従い照射領域中央部が「窪み」形状へと変化するのが観察された。SOIが薄いほど、加工に要するドーズが減少した。また、Heガス注入に起因する照射領域の盛り上がりが観察された。ナノポア形成前後の照射領域のフォトルミネッセンス計測を行ったところ、1128 nm付近のTO線の発光強度が40%程度減少したが、イオン照射による著しい欠陥増加は見られなかった。結晶構造を維持したまま数十ナノメートルスケールのナノポアアレイ加工が可能であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1nm程度まで薄膜化した極薄シリコン層を形成して、実際のヘリウムイオン照射の実験を行った。極薄シリコン層が薄膜化すると、加工に要するHeイオンのドーズが減少することが分かった。実際に極薄シリコン層に対し規則的なナノポアアレイを形成する実験を行ったが、イオン照射による著しい欠陥増加は見られなかった。結晶構造を維持したまま数十ナノメートルスケールのナノポアアレイ加工が可能であることが明らかとなった。今後、SOI層の下部の埋め込み酸化膜を除去した、極薄Siの架橋構造を形成し、加工ドーズの減少と試料盛り上がりの抑制を行い、電気的特性、光学的特性変調の確認を進める。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度には下記を進める予定である。 ナノポア加工のドーズを減少させ、かつHeガス注入に起因する試料の盛り上を抑制するため、SOI層の下部の埋め込み酸化膜を除去した極薄Siの架橋構造を形成する。この試料構造に対し、ナノポアの間隔等のパラメータを調整して加工したナノポアアレイによる光学特性変調の確認を進める。
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