研究課題/領域番号 |
22K18818
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
久保田 健吾 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (80455807)
|
研究分担者 |
佐野 大輔 東北大学, 工学研究科, 教授 (80550368)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | 視覚的検出技術 |
研究開始時の研究の概要 |
生物学的廃水処理におけるウイルス除去機構は未解明である。廃水処理活性汚泥中に存在する微生物による吸着が、ウイルス除去に一役買っていることを示唆する結果が報告されている。一方で、微生物やウイルスの多くが人為的に培養できないことを踏まえると、微生物とウイルスの結合性を調べるためには、視覚的に検出・同定する方法が必要である。そこで本研究では、活性汚泥における微生物とウイルスの結合性を視覚的に明らかにするために、ウイルスを培養に依らず特異的に検出可能な技術を開発する。
|
研究実績の概要 |
電子顕微鏡で生物を可視化するための方法として、非特異的に生物を染色可能な方法を開発した。本手法は生物細胞に結合し、かつペルオキシダーゼ活性を有するヘミンとチラミドシグナル増幅法を組み合わせることで、任意の重元素による染色が可能な手法である。手法の開発にあたり、まず、ヘミン濃度、反応時間、チラミドシグナル増幅法の最適化を行った。最適化は、蛍光標識チラミドを用いて純粋培養株を標的として行った。蛍光強度を画像解析ソフトで定量的に測定し、各反応条件において高い蛍光強度が得られる条件を探索して、条件を決定した。その後、複合微生物生態系のモデルケースとして汚泥サンプル、またミネラルなどの無機物を多く含むモデルケースとして土壌サンプルに適用してその有用性を確認した。 次に、細胞の金元素による標識を行った。具体的にはヘミンを生物細胞に結合させた後、チラミドシグナル増幅法でビオチンを沈着させた。そして金ナノ粒子結合ストレプトアビジンを反応させ、ビオチン-ストレプトアビジン結合により金ナノ粒子を細胞に結合させた。最後に金増感反応により金ナノ粒子を肥大化させ、それを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。金シグナルを確認することができ、またSEM-EDXによる元素マッピングにおいて存在箇所を示すことができた。今後は本手法がウイルスの可視化に適用可能かを検討していく必要がある。 またジゴキシゲニンを標識した長鎖遺伝子プローブの合成に関する検討を開始した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
電子顕微鏡で微生物を非特異的に検出する方法を開発することができた。またDIGを標識した長鎖遺伝子プローブ合成に関する検討も開始しており、概ね順調である。
|
今後の研究の推進方策 |
電子顕微鏡での観察を含めた長鎖遺伝子プローブを用いた検出系を構築する。プローブ合成の最適化、各種反応条件の最適化を行うことで、電子顕微鏡で検出するのに十分な感度を有する技術を開発する予定である。
|