研究課題/領域番号 |
22K18825
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 佑弥 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (10726805)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | コンクリート / 疲労 / フライアッシュ / 損傷回復 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,疲労荷重作用を受けるコンクリート構造部材を対象とし,疲労進展と損傷回復の両者の速度を制御した自律型疲労回復建設材料の開発を目指す. 産業副産物であるフライアッシュなどを利用し,ポゾラン反応により生じる二次生成物析出による損傷回復を検証する部材疲労実験,析出物質の微視的観察と力学寄与に関する材料実験,長期挙動に関するシミュレーションを組み合わせることで,自律型疲労回復部材の実現性を評価し,制御方法を提案する.
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研究実績の概要 |
本研究は,疲労荷重作用を受けるコンクリート構造部材を対象とし,疲労進展と損傷回復の両者の速度を制御した自立型疲労回復建設材料の開発を目指すものである.当該年度は,小型鉄筋コンクリート梁試験体を作成して水中曲げ疲労試験を実施し,高効率に疲労試験を実施する手法の確立を試みた.40cm長さの小型角柱試験体かつ10Hzの高周波数の条件下でも,良好に疲労進展を捉えることができること,小型であるがゆえに,水分供給や劣化の促進がしやすいという利点があることが明らかとなった. また,ひび割れ中に析出する物質の力学寄与を考慮可能な力学構成則を提案し,既往の非線形有限要素法解析システムに導入した.ひび割れ中のせん断伝達ならびにひび割れ再接触の際に,析出物質の力学特性を追加で考慮することで,標準的な円柱試験体の圧縮力学挙動,さらには,構造部材の力学性能が変化することを解析的に示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小型梁を用いた水中曲げ疲労試験の実験環境を整備し,試験を実施した.40cm長さの小寸法かつ10Hzの高周波数ながら,コンクリートの疲労が進展する様子を良好に捉えることができた.凍結融解などの作用により材料劣化を起こした試験体も用意し試験することで,小寸法であるがゆえに,環境作用の影響を明確に捉えることができた一方で,曲げ破壊を想定したにもかかわらず,せん断破壊となってしまうなどの実験条件の改良点も明らかとなった. 上記実験環境の整備に時間を要したため,一方で,当初R6年度に行う予定であった,ひび割れ中の析出物質の力学寄与に関するモデル化を先行して実施した.ひび割れ中の析出物質に寄与のモデルをせん断伝達モデルなどに加えることで,円柱試験体の力学圧縮挙動や,梁の曲げ挙動に有意な影響がでることを解析的に示した. 以上より,総合的に見ておおむね順調に進展していると判断される.
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今後の研究の推進方策 |
新たに導入した環境試験槽により,大きなサイズの材料劣化試験が可能になったことから,次年度は配筋条件ならびに梁の長さを改良して,より効果的な条件で実験を実施する予定である.健全試験体とともに,ASRによる劣化が生じる試験体も用意し,疲労作用との複合の中でどのようにひび割れ中の物質が力学的に寄与するのか実験データを蓄積する. 混和材としてフライアッシュを用いることで,緩慢な水和反応進展と疲労により損傷進展がどのように相互作用を及ぼすのかという点についても実験データを得ることにも取り組む.この時,局所的な損傷進展を非破壊で捉えるための手法についても検討する,シュミットハンマーやビッカース硬さ試験などが候補として考えられる.
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