研究課題/領域番号 |
22K18827
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
幡本 将史 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (20524185)
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研究分担者 |
平片 悠河 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 学振特別研究員 (50887164)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 原生動物 / フィルター / 18S / シーケンス解析 / バクテリア / 活性汚泥法 / カビ / 18S rRNA遺伝子 / 16S rRNA遺伝子 / バイオフィルム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、原核生物(細菌・アーキア)、原生動物や真菌(カビ類)など、これまで個別に解析されていた微生物群集の解析を統合的に実施することで、細菌・アーキア・原生動物・真菌の関係性を理解を目指す。地球上最大の人工生態系とも呼ばれる廃水処理プロセス(下水処理プロセス)を対象として、処理性能やバイオフィルム形成に関連がある生態系のコアとなる微生物の解明に挑戦する。
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研究実績の概要 |
生物学的廃水処理においては原核生物(細菌・アーキア)のみならず原生動物や後生動物、カビなども重要な役割を担っていることはよく知られている。その一方で、細菌に適用する汚泥の前処理方法では原生動物等は形態を維持できず、顕微鏡観察で見過ごされる事や、汚泥中の原生動物群を効率良く簡便に解析できるアンプリコンシーケンス解析手法が無い事など問題点がある。そこで本研究では、サイズ分画による前処理法を開発し、活性汚泥中の微生物の解析を行う手法の開発を行った。 まず、各種論文等の調査を行い、廃水処理関連ではサイズ分画による前処理と微生物解析は実施されていない事を確認した。また、湖や海洋サンプルの場合picoplankton、nanoplankton、microplankton、それ以上の多細胞生物と言う分類で解析を行う事があるのを参考に、廃水処理関連でのサイズ分画のフィルター候補を決めた。これまでにバクテリアの微生物群集解析の実績があるラボスケール下水処理試験装置の汚泥を対象に、各種フィルターによりサイズ分画を行い細胞を回収した。このとき、通常の手法では用いないような大口径のフィルターを用いて分画を実施した。その結果、活性汚泥はフロックを形成しているため、かなり大口径のフィルターでもトラップされてしまうことや、希釈および、フロックの分解処理後にフィルター処理をすると細かい分画まで可能となった。また、分画したサンプル中の真核微生物群集の解析を実施したところ、フィルターサイズにより検出される微生物群集に差があることを確認した。特に、細かい分画では、群集構造が他と異なっており、これが分画による影響である事をさらに複数のサンプルの実験で明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各種論文等の調査を行い、廃水処理関連ではサイズ分画による前処理と微生物解析は実施されていない事を確認した。また、湖や海洋サンプルの場合picoplankton、nanoplankton、microplankton、それ以上の多細胞生物と言う分類で解析を行う事があるのを参考に、廃水処理関連でのサイズ分画のフィルター候補を決めた。さらに実際の活性汚泥を用いたろ過試験によりフィルターの分画が可能なサイズを決定した。分画したサンプル中の真核微生物群集の解析を実施したところ、フィルターサイズにより検出される微生物群集に差があることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに微生物解析の実績がある実廃水処理リアクターのサンプルを対象にフィルター分画による前処理法と微生物解析を継続して実施する。また、検鏡結果や分画無しサンプル等の各種分析法による結果を比較し、簡便な前処理法の確立と原核生物と真核生物の両方の解析を目指す。
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