研究課題/領域番号 |
22K18831
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
半井 健一郎 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (10359656)
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研究分担者 |
内田 龍彦 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (00379900)
井上 卓也 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (20647094)
畠 俊郎 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (30435424)
橋本 涼太 京都大学, 工学研究科, 准教授 (60805349)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 河川堤防 / セメント改良 / 越水 / 性能 / レオロジー / セメントペースト |
研究開始時の研究の概要 |
豪雨災害の激甚化・頻発化に対してこれまでの河川堤防による対策は十分ではなく,破堤によって深刻な被害が広域に及ぶ水害が多発している.そこで本研究では,水工学にコンクリート工学・セメント化学・地盤工学の知見を加え,既存の河川堤防を簡便かつ効果的に強化する新たな手法を開発する.具体的には,地盤改良工事で広く使用されるようになったセメント改良工法を基盤技術として用い,既存の河川堤防本体の強化に応用する.特に,異種材料間の不連続性が弱点部となる可能性に着目した検討を行う.
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研究実績の概要 |
本研究では,水工学にコンクリート工学・セメント化学・地盤工学の知見を加え,既存の河川堤防を簡便かつ効果的に強化する新たな手法を開発することを目的としている.具体的には,地盤改良工事で広く使用されるようになったセメント改良工法を基盤技術として用い,「堤防は土堤とすることが原則」である国内では過去に検討例のない,既存の河川堤防本体の強化に応用する. 今年度は,実験水路内の3次元堤防模型の浸透/越水破堤試験によって,越水に対する堤防の挙動を評価するための基礎的な研究を継続実施した.具体的には,砂質土を用いて基礎地盤と堤防を構築し,改良の程度を変化させて堤防の挙動に関する検討を行った.また,裏法面の侵食や地盤の洗堀に伴う改良体の転倒に伴う堤防の破壊に関して,力の釣り合い条件から説明をした.ただし,実験では改良体の転倒が計算値よりも抑制される傾向があり,その原因が改良体と水路側面との摩擦によるものと推定されたことから,テフロンシートによる摩擦除去を行い,実験と計算の良好な一致を得た.また,土粒子-水―改良体の三相が相互作用する現象を再現するため,MPM-VOF-DDA連成解析を用いた検討を行った.その結果,洗堀現象をおよそ再現できる可能性が示唆されたが,解析におけるパラメータの設定や実験におけるばらつきの扱いに課題が残った. なお,当初招聘を予定していたフランスからの博士課程学生の渡航に関しては,候補学生がフランスの大学への入学を辞退したために実現しなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験水路内の3次元堤防模型の浸透/越水破堤試験の実施手順を改善し,改良体を設置した自立型堤防の高い性能を確認し,改良深さの影響に関しても議論ができた一方,未改良の周辺地盤と改良体の異種材料間の不連続性に関して直接的な検討には至らなかった. また,フランスからの博士課程学生の渡航が延期となって実現していない.
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今後の研究の推進方策 |
実験水路内の3次元堤防模型の浸透/越水破堤試験の実施手順を確立でき,本研究の主題である未改良の周辺地盤と改良体の異種材料間の不連続性に関する検討も開始したことから,これを加速する.また,フランスからの博士課程学生の渡航にはこだわらず,共同研究先からの研究員の招聘によって国際的な視点を加えて研究を取りまとめる.
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