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砂の年代効果の実験時間5000倍圧縮の実現~結晶のオストワルド熟成の利用~

研究課題

研究課題/領域番号 22K18837
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分22:土木工学およびその関連分野
研究機関和歌山工業高等専門学校

研究代表者

林 和幸  和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (30587853)

研究分担者 岡村 未対  愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (50251624)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
キーワード炭酸カルシウム / 年代効果 / ボンディング / 液状化 / 地盤液状化
研究開始時の研究の概要

地震による地盤の液状化発生予測に使われる液状化判定法では,液状化強度がしばしば何倍も過小評価される。その主な原因として年代効果が指摘されている.年代効果による液状化強度の増加メカニズムうち,化学的作用による砂粒子の結合(ボンディング)の発達については,その顕在化に100年オーダーの年月がかかるためこれを実験室で再現することができず,液状化発生予測における精度向上の大いなる支障となっていた。そこで本研究では,砂粒子間のボンディング発達に要する時間を飛躍的に短縮できる方法の開発を試みる。また,ボンディング発達による砂の年代効果メカニズムと,微小地震による微視的粒子構造安定との相互作用を解明する。

研究実績の概要

現行のFL法は、実際は液状化しない地盤であってもしばしば液状化すると判定される(液状化強度が過小評価される)、大いに合理化の余地がある液状化判定法となっている。液状化強度を過小評価することの主な原因として、年代効果が指摘されている。年代効果による液状化強度の増加メカニズムは、微小地震や過圧密等により微視的粒子構造が安定化することと、化学的作用による粒子間の結合(ボンディング)の発達である。砂の液状化抵抗に及ぼす年代効果を実験室で調べるには、通常100年オーダーの時間スケールを要する粒子間ボンディングの発達を、数日程度まで飛躍的に短縮できる試験方法の開発が必要である。本研究では、炭酸カルシウム結晶の熟成効果に伴いボンディングの発達が期待できるサンゴ砂に着目し、養生の有無と応力比の異なる4つの供試体に対し非排水繰返し三軸試験を実施した。その結果、排水条件で1日養生したサンゴ砂供試体の液状化抵抗はR20=0.22からR20=0.35に、すなわち約1.5倍に増加した。これは、微小ひずみ領域におけるヤング率の増加とともに、ダイレイタンシーが強まったことが要因であると推察される。光学顕微鏡を利用した粒子形状観察では、養生後のサンゴ砂粒子の接触部において、わずかながらボンディングが形成された痕跡が見られた。以上のことより、サンゴ砂は排水条件で1日養生するだけで液状化抵抗を向上させるために十分なボンディングが発達することが明らかとなり、実験室内において短期間で年代効果の再現を可能とする地盤材料であるとことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

短期間で粒子間ボンディングが形成される地盤試料の液状化特性が概ね把握できたため。

今後の研究の推進方策

粒子間ボンディングの発達に伴う圧密の時間tと、圧密によって生じた体積ひずみをボンディング発達の指標としてその関係を明らかにする。供試体を等方圧密し、ある一定の体積ひずみが生じた時点で非排水繰返し三軸試験を実施し、ボンディングの発達レベルと液状化抵抗の関係を明らかにする。すでに提案されている砂の繰返しせん断に伴い発生する体積ひずみ、繰返しせん断応力に関する物理モデルを、ボンディングが形成された砂に対し拡張することを試みる。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-07-05   更新日: 2024-12-25  

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