研究課題/領域番号 |
22K18842
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大風 翼 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (40709739)
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研究分担者 |
吉村 奈津江 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (00581315)
丸山 裕恒 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特任助教 (50913258)
玄 英麗 東京工芸大学, 工学部, 助教 (20770564)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 脳波 / 風環境 / 心地よさ感 / 機械学習 / 信号源推定 / 人工気候室 / 屋外実験 / 独立成分分析 / 風 / 屋外 / 脳情報デコーディング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、脳情報デコーディング(脳波信号等から意思を読み取ること)により、風を浴びた際に感じる瞬間的な心地よさ感について、客観的かつ定量的に予測する手法を確立することを目的とする。この目的を達成するために、1)風を浴びた際の心地よさ感の主観アンケートと脳波の同時に計測する屋外及び室内実験、2)脳波解析(周波数解析および信号源推定)による風曝露時の脳内活性部位の特定、3)主観アンケートと脳内活性部位の関係性の分析、4)脳情報から、機械学習等を用い、心地よさ感の推定を行う。
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研究実績の概要 |
2年目は、熱的中立環境を想定した人工気候室実験を実施し、取得したデータを用いて、脳波を入力データとした機械学習を基に風の心地よさ感の予測及び風の心地よさ感に関連する脳領域の分析を行った。 1)人工気候室実験:実験は、東京工芸大学厚木キャンパスの人工気候室にて、2023年9、10月に実施した。実験参加者は、脳疾患の既往歴のない利き手が右手の健康な成人で、男性11名、女性8名である。風を8秒間浴び、その風に対する心地よさ感を申告するトライアルを、脳波計測と並行して合計150回実施した。脳波は、国際10-10法に則して64個の電極を頭皮上に配置し計測した。実験参加者に曝露させた平均風速は5種類とし、連続したトライアルで同じ風速が出力されないようにした。人工気候室の温湿度は27℃・70%とし、着衣は上下長袖のスウェットに統一した。 2)機械学習による風の心地よさ感推定:実験で得られた電極データに対して、独立成分分析を行い、瞼の動きや眼球運動由来の成分を除外した。続いて、脳波の信号源推定を行い、44の脳領域について、周波数帯のパワースペクトル密度の平均値を算出した。この44の脳領域における各周波数帯パワーを特徴量とし、1名分を検証データ、残りのデータを学習データとし、線形サポートベクタマシンを用いた風が心地よい/良くないの2値分類検証を行った。すべての脳領域の各周波数帯パワーを特徴量として機械学習を行った結果、正解率の平均は55.2%であった。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果として、風が心地よい/良くないの2値分類については、脳波の部位毎の周波数帯別の平均値を入力として、確率レベルよりも高い予測の可能性が示せた。屋外実験と室内実験で、入力の部位毎の予測への寄与が異なることから、気温や他の環境要素の脳波への影響の分析は、今後の課題である。
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