研究課題/領域番号 |
22K18844
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
田中 直人 島根大学, 総合理工学部, 客員教授 (60248169)
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研究分担者 |
狩野 徹 佐久大学, 人間福祉学部, 教授 (00204595)
木内 龍彦 大和大学, 理工学部, 教授 (30112527)
老田 智美 大和大学, 理工学部, 講師 (50898864)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 福祉避難所指定施設 / 排泄障害 / 排泄ケアエリア |
研究開始時の研究の概要 |
近年多発する自然災害に対し、超・超高齢社会であるわが国では福祉避難所整備の拡大は急務である。福祉避難所の対象者である身体障害者の中には失禁や失便をおこす排泄障害を持つものもいる。 本研究は多様な身体状況の要配慮者が共通して持つ排泄障害に着目し、多様な排泄方法等に応える福祉避難所の機能として、「排泄ケアエリア」を構築するための基礎的知見を得ようとするものである。そして社会発信することで福祉避難所指定施設への導入促進の寄与を目指す。
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研究実績の概要 |
超高齢社会であるわが国では福祉避難所整備の拡大は急務であるが、その対象者である身体障害者の中には失禁や失便をおこす排泄障害を持つものもいる。本研究は多様な身体状況の要配慮者が共通して持つ排泄障害に着目し、多様な排泄方法等に応える福祉避難所の機能として、「排泄ケアエリア」を構築するための基礎的知見を得ようとするものである。 令和5年度は当初の予定どおり各調査を遂行した。「福祉避難所開設経験施設のトイレ環境および避難者受け入れ時のトイレ状況の把握」に関する調査は、令和4年度に実施した熊本地震対応施設につづき、東日本大震災時の福祉避難所であった、岩手県宮古市の老人ホーム2件と障害者施設1件、仙台市の福祉センター1件を対象に実施した。 結果、福祉避難所で避難生活を送った要配慮者のほとんどが介護が必要な高齢者、または認知症高齢者であり、避難生活時のトイレもオムツとポータブルトイレの利用がほとんどであった。水がないためポータブルトイレにオムツを敷いて利用していたそうだが、トイレ方法としては、日常的なスタイルとさほど違いはなかった。一方、高齢者以外の排泄障害のある身体障害者の福祉避難所の利用については、対象施設では見受けられなかった。 「衛生面およびプライバシーを確保する排泄ケアエリアの仕上げ材等の検討と検証」については、研究協力者である岐阜県生活技術研究所と共に、音と臭気に対応可能な材料について検討を行った。排泄エリアの想定として、施設の居室や廊下等の乾式空間を想定するのかトイレや機械浴室等の湿式空間を想定するのかによって異なるため、調査済み各施設の空間構成の整理中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は当初の予定どおり各調査を遂行したものの、令和4年度に実施を予定していた「避難生活経験のある排泄障害者の非常時における排泄状況および排泄環境の把握と整理」については、当初、施設を通じで実施予定であったが、コロナ禍における接触制限にはじまり、調査対象の福祉避難所での、排泄障害のある身体障害者の利用がほぼなかったため、現在調査対象者を、福祉避難所での「生活経験者」から「生活経験のない」障害者とその家族に変更すべく調整中である。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度では、「「避難生活経験のある排泄障害者の非常時における排泄状況および排泄環境の把握と整理」については、対象者を福祉避難所での生活経験の無い排泄障害のある身体障害者と家族とし、オンライン調査をベースに、インターネットによるアンケート調査およびヒアリング調査を実施する。併せて大学内の施設で「衛生面およびプライバシーを確保する排泄ケアエリアの仕上げ材等の検討と検証」を行う予定である。 以上の結果をもとに、既存福祉避難所指定施設の場合と福祉避難所指定施設の新規計画時の場合に分け、「排泄ケアエリア」導入方法についてまとめる予定である。
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