研究課題/領域番号 |
22K18877
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
XU XIAO 東北大学, 工学研究科, 准教授 (20781389)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 形状記憶合金 / リエントラント・マルテンサイト変態 / マルテンサイト変態 / Mn基合金 |
研究開始時の研究の概要 |
一般に、マルテンサイト(M)変態は冷却時に無拡散的に母相→M相の正変態が生じるが、代表者らは、CoCrGaSi形状記憶合金において冷却で母相→M相→母相の挙動を示す異常なM変態を報告し、リエントラント形状記憶合金と命名した。リエントラント形状記憶合金は学術面でも応用面でも大きな意味を持つが、その実現条件が厳しく、その結果、今のところ、CoCrGaSi合金でしか見つかっていない。本研究は素材コストの低いMn基合金に注目し、より安価である第2のリエントラント形状記憶合金の創製に挑戦する。
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研究成果の概要 |
代表者らが開発したCoCrGaSi形状記憶合金は冷却時に無拡散的に母相→マルテンサイト(M)相→母相の挙動を示し、冷却による形状記憶効果および新規固体冷媒材料など、応用への期待もされているが、CoCrGaSi合金はコストが高いため、本研究は低コストであるMnZn合金に注目した。本研究によって、MnZn合金はbcc→hcpタイプの無拡散型相変態を示すことを見出し、低温ではbcc相とhcp相の相安定性の逆転現象も見つかっているが、非熱弾性型変態および部分的な拡散変態のため、リエントラントM変態とはならなかった。また、MnZn2元系を系統的に調査したことで、平衡状態図を実験的に決めることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
代表者らは、冷却で母相→マルテンサイト(M)相→母相といった異常な変態挙動(リエントラントM変態挙動)を有するCoCrGaSi形状記憶合金を開発した。CoCrGaSi形状記憶合金は様々な応用の可能性が見込まれるが、コストが高いことがネックである。本研究は、MnZnという、CoCrGaSiの1/20のコストである合金系に注目して挑戦的研究を行った。最終的にリエントラントM変態を見出すことはできなかったが、部分的な拡散変態の形でリエントラント変態と同様の相安定性の逆転現象を見出し、今後リエントラントM変態挙動を有する形状記憶合金の開発指針に大きな意味を持つ研究成果が得られた。
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