研究課題/領域番号 |
22K18878
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安藤 大輔 東北大学, 工学研究科, 准教授 (50615820)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ディフェクトエンジニアリング / 二次元欠陥 / セラミックス / 光塑性効果 / 耐熱材料 |
研究開始時の研究の概要 |
低炭素化社会のカギとなる次々世代の耐熱材料は高融点で耐酸化性が良いセラミックスでしか成し遂げられないが、高温で高強度な材料は室温で脆くて壊れやすい。一般的に、セラミックスは脆いと認識されているが、実は、1970年代には、セラミックスの光塑性効果が発見されており、特定波長の光照射によりセラミックスを金属と同様な高延性材料に変化させる事が可能である事が示されていた。本研究では、50年来謎であるセラミックス中の転位の動き易さを阻害する要因の除去方法を光照射でなく、意図的な二次元欠陥を調質するディフェクトエンジニアリングにより達成し、セラミックスは脆いという固定概念を打ち破ることに挑戦する。
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研究実績の概要 |
SDGsが提唱する低炭素化社会は熱機関の高温化で成し遂げられる。次々世代の耐熱材料は 高融点で耐酸化性が良いセラミックスでしか成し遂げられない。しかし、高温で高強度な 材料は室温で脆くて壊れやすいという欠点を持つ。申請者はこの欠点を克服した軽量セラ ミックス創製に挑戦したい。本研究は1970年代にセラミックスの光塑性効果として発見さ れていたが、50年来謎であるセラミックス中の転位の動き易さを阻害する要因の除去方法 を光照射でなく、意図的な二次元欠陥を調質するディフェクトエンジニアリングで達成し 、セラミックスの持つ延性ポテンシャルを最大化して、セラミックスは脆いという固定概 念を打ち破る挑戦を行うものである。特に、申請者が過去に行ったコーティング材の研究 を振り返り、柔らかい膜、摩耗してしまう膜として研究対象外にしたセラミックスコーテ ィングに塑性変形能を生じさせる微視的構造のカギが隠されていると考えて、新材料探索 効率を飛躍的に高めるコンビナトリアルスパッタ法で組成傾斜膜を成膜、ナノインデンテ ーションで硬度の組成依存性を調査、塑性変形しうる組成のTEM観察で塑性変形能を生じさ せる微視的構造のカギを検証する。本年度は特にCrを固溶させたAl2O3コーティング膜について調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は過去に行ったコーティング材の研究 を振り返り、柔らかい膜、摩耗してしまう膜として研究対象外にしたセラミックスコーテ ィングに塑性変形能を生じさせる微視的構造のカギが隠されていると考えて、Crを固溶させたAl2O3コーティング膜について調査した。その結果、ナノインデンテーションやビッカース硬さ試験後の圧痕直下をTEM観察したところ、二次元欠陥を伴った塑性変形が生じていることが明らかになり、Al2O3にCrを添加することで塑性変形能が上昇することがわかった。この二次元欠陥を伴った塑性変形には相変態が関わっていることが示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究でセラミックスの変形には二次元欠陥を伴った相変態が重要であることが明らかになったので、Al酸化物ベースで相変態するセラミックスでの組成と塑性変形能に注目して調査して、光塑性効果を実環境中で引き出した材料創製を目指す。
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