研究課題/領域番号 |
22K18883
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
安井 伸太郎 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (40616687)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | イオン伝導体 / 無焼結 / 高結着 / 大気安定性 / 水系スラリー |
研究開始時の研究の概要 |
代表的固体酸化物電解質であるペロブスカイト型LiLaTiO3やガーネット型Li7La3Zr2O12は~10-3 S/cmの高いバルクイオン伝導を示すことが知られているが、酸化物セラミックスは材料自身が非常に硬いために加工性に乏しく、結果的に界面抵抗が非常に高くなり、トータルのイオン伝導度は10-4 S/cmが精いっぱいである。さらに電池構造を構成する際には高温焼結が必要となり組成ずれ等の問題点もあり応用が困難であった。本研究は界面抵抗低減を可能とする柔らかな高加工性・高結着性の固体無機酸化物電解質開発を行い、大気安定な無焼結・高結着・高イオン伝導を持ち合わせる材料の開発を行う。
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研究実績の概要 |
メカノケミカル法により合成したアモルファスLi2B4O7は非常に柔らかく室温圧粉工程にて粒子同士が変形して非常に成形性にすぐれる特性を有する。それらに水とリチウム塩(LiFSI)を混合することで、非常に分散性のよい水性スラリーを作製することが可能となった。このスラリーを乾燥させると紛体が得られ、塗布・室温乾燥工程にて固体シートを得ることが出来る。粉末は圧粉することで焼結することなく非常に緻密なペレットを作製することが出来る。ペレットおよびシートの両者ともにイオン伝導性を調査したところ、1~10 mS/cmのイオン伝導性を得ることが出来た。またこれらの活性化エネルギーは0.2eV程度と従来の固体酸化物イオン伝導体と比較して約半分~2/3程度と非常に小さく、温度に対して安定であることも分かった。イオン伝導性に幅があるのは水性スラリーにより作製していることで、内部に含水されている状況であることから、それらの水分量によって変化するためである。固体電解質としての性質を考慮すると、含水成分は取り除く必要がある。この材料系における含水成分は自由水とリチウム塩-母相の結合を担う結合水の2種に分類することが出来るが、前者を取り除き適切な結合水のみを残留させることで、完固体にすることが可能となる。通常の固体電解質はバインダー成分を混入させるが本材料系においてはアモルファスの母相がその役割を担うことから基本的にはバインダフリーで作製することが可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定していたイオン伝導性能の約10倍の伝導性が得られ、非常に期待が持てる結果となったため。
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今後の研究の推進方策 |
予想以上のイオン伝導性が確保できたため、学術的にそれらを理解するための詳細解析を行う。さらには母相の合成手法の選択性、リチウム塩の選択性、またそれらに対するイオンで同性能を評価することで、網羅的な理解を追究する。
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