研究課題/領域番号 |
22K18891
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
藤井 秀司 大阪工業大学, 工学部, 教授 (70434785)
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研究分担者 |
石田 尚之 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (80344133)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 泡 / 接着 / 高分子粒子 / 界面 / 刺激応答 |
研究開始時の研究の概要 |
粒子が表面を覆うことで安定化した泡(内部に空気を含有するカプセル)を刺激応答性接着剤として捉え、応力印加によるカプセル崩壊・空気漏出が誘起する空気による基材の架橋に基づく水中接着技術を実現する。具体的には、まず「ぬれの化学」に基づき、基材の表面化学(親水性・疎水性バランス)と泡の基材への吸着性・ぬれ性の相関関係を解明する。さらに、接着部位の構造評価、および接着力の実測値とラプラス圧から算出される理論値の比較を行い、接着性発現メカニズムの解明に取り組む。無尽蔵の材料である空気を「水中接着剤」として捉え、新たな接着科学の開拓に挑戦する点で大きな意義がある。
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研究成果の概要 |
本研究では、「ぬれの化学」に基づき、基材の表面化学(親水性・疎水性バランス)と泡の基材への吸着性の相関関係の解明に取り組んだ。また、粒子安定化泡を応力応答性接着剤として捉え、刺激応答型の水中接着技術の実現にも挑んだ。その結果、下記の点を明らかにした。1)基材(被着体)の疎水性が高くなると、泡の吸着(ぬれ)性が向上することを明らかにした。2)2枚の被着体間にある粒子安定化泡に圧縮応力を加え、泡の崩壊、空気の漏出により被着体を接着させることに成功した。接着力の実測値は理論値(ラプラス圧から算出)と同様の傾向を示した。3)粒子安定化泡の接着性発現メカニズムを解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、基板の表面化学と泡の吸着性・形状の相関関係を解明し、目的箇所における任意タイミングでの接着を可能にする新規水中接着技術の開拓を目的とした。空気を「水中接着剤」として捉え、新たな接着科学を開拓した点で大きな意義がある。本研究課題で研究した接着技術は、空気を接着剤として使用するため環境適応型・簡便であり、表面に凹凸がある基材に対しても、空気がぬれ広がることで接着が可能になると期待でき、接着可能な基材の対象が広い。空気泡を用いた接着現象の理解が進むことは、様々な科学技術・日常生活の問題への解決に貢献し、各学術分野に変革をもたらす可能性を含んでいる。
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