研究課題/領域番号 |
22K18894
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
関 剛斎 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (40579611)
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研究分担者 |
塩貝 純一 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30734066)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 歪み / 磁気異方性 / 自立型メンブレン |
研究開始時の研究の概要 |
フレキシブル電子デバイスの高性能化・多機能化のためには、「歪み」という物理パラメータの制御と活用が不可欠である。本研究課題では、自立型メンブレン基板の持つ単結晶かつ柔らかいという特徴に着目し、自立型メンブレン上に磁性薄膜を単結晶成長させることで、巨大歪みが磁気異方性、磁化、さらには交換相互作用に与える影響を明らかにする。そして、格子変形がもたらす反対称な交換相互作用により、純粋な歪みだけで誘起する磁化スイッチング技術に挑戦する。
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研究成果の概要 |
本研究では、自立型メンブレン上の磁性単結晶薄膜の有用性に着目し、メンブレン化した磁性単結晶薄膜の磁気特性の解明を中心に研究を遂行した。 まず、NiおよびFe4N強磁性金属層をエピタキシャル成長させるための条件を明らかにし、歪みを導入しながら磁気特性を評価する手法を確立した。そして、歪みによる磁気異方性の変化や飽和磁化、強磁性転移温度の変化を観測することに成功した。また、格子変形に起因した反対称交換相互作用を評価する上で、エピタキシャル薄膜が有効であることを示唆する結果が得られた。さらに、より大きな磁気弾性効果を示す強磁性材料の探索にも取り組み、Fe-Ga合金のエピタキシャル薄膜化に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウェアラブルやユビキタスを支えるフレキシブル電子デバイスの高性能化・多機能化は、今後の持続可能な社会づくりの鍵となる。磁性体における歪みを使ってデバイスの新機能を見出すためには、薄膜形態において歪みの影響を理解することが不可欠である。 本研究は、「単結晶」かつ「柔らかい」という特性を活用できる自立型メンブレンに着目し、自立型メンブレンを使った薄膜の成長条件や評価技術を確立し、歪みによる基本的な磁気特性の変調に成功した。磁気弾性特性の理解を深化させる学術的に意義深い成果である。また、歪みを使った新しい磁化スイッチング技術の開発指針を与えるものでもあり、応用の観点でも意義のある成果と言える。
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