研究課題/領域番号 |
22K18895
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
古原 忠 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50221560)
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研究分担者 |
佐藤 充孝 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10547706)
張 咏ジエ 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (40793740)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 鉄鋼 / 析出 / 熱処理 / 合金元素 / 高強度化 / 鉄鋼材料 / 相分離・規則化 / 侵入型元素 / 規則化 / 副格子 / クラスター |
研究開始時の研究の概要 |
アルミニウム合金やマグネシウム合金,侵入型元素を含んだ鉄鋼材料では,中・長距離相互作用の影響を受けた構造や微細組織発展により,力学機能の著しい向上が達成されているが、中・長距離相互作用の制御に基づく材料設計は未踏の研究領域である.そこで,本研究では,不規則性の強い固体結晶(金属)において,侵入型副格子の元素の規則配置を,置換型副格子の元素配置および構造相変態と重畳させて設計する挑戦的テーマ「サブラティスエンジニアリング」を確立するため,最も重要な金属材料である鉄合金と代表的な侵入型元素である窒素を対象に,多様な周期構造の発達を解明する.
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研究成果の概要 |
鉄結晶をモデル系として,新たに侵入型副格子の元素の規則配置を置換型副格子の元素配置および構造相変態と重畳させて行う挑戦的テーマ「サブラティスエンジニアリング」を提唱し,その設計原理を現象の包括的な理解に基づいて探索した. その結果,侵入型元素と置換型元素との強い引力型相互作用が,2つの副格子間に渡る規則化で元素クラスタリングを誘起し,材料の高強度化に資することが明らかとなった.本コンセプトは,不規則性が高い金属固溶体に応用することで,多次元かつ幅広い構造・機能の設計につながると考えられる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本コンセプトは,リジッドな構造を持たず不規則性が高い金属固溶体における強度発現の原理を解明したものであり,置換型および侵入型の異なるサブラティス間の引力型相互作用の大きさが,ナノ領域の濃度分離と規則化の重畳による大きな強化能を発現する鍵となることを明確に示した.この知見は低合金鋼・高合金鋼に応用可能であることは言うまでもなく,非鉄合金も含めてナノ構造の多次元的制御に基づく機能の設計につながると考えられる.
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