研究課題/領域番号 |
22K18897
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 一誓 東北大学, 多元物質科学研究所, 講師 (60821717)
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研究分担者 |
小俣 孝久 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80267640)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | イオン交換 / 無機材料 / 準安定相 |
研究開始時の研究の概要 |
室温~数百度・大気圧で実質的に安定な「準安定相」は、これまでほぼ物性探索の対象とされず、ユニークな物質が眠る“宝の山”である。安定相の物質探索が徐々に終息に向かう中、物質探索の主戦場は、従来法では得られない準安定相へとシフトしつつある。しかし、準安定相の合成に用いられてきた従来の高圧法やイオン置換法は、適用できる物質が限られている。これは制御パラメータが「温度・組成・圧力」に限定されていたからである。本研究では、新たなパラメータ「電場」のアシストで陽イオンを置換することで準安定相を合成する新手法「電気化学的陽イオン置換法」を確立し、物質探索のフィールドを圧倒的に拡大することに挑戦する。
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研究実績の概要 |
本年度は、主に2つの成果を得た。ひとつはAg膜を堆積したLi3AsO4前駆体へ電圧を印加することによる電気化学的陽イオン置換である。これにより、Liの一部がAgへと置換した(Li,Ag)3AsO4固溶体を得ることができた。対照実験として行った、前駆体とイオン源にLi3AsO4とAgNO3を用いた従来の熱的なイオン交換法では、Ag3AsO4とLi3AsO4の混合物が生成したことから、本固溶体は電気化学的な陽イオン置換によってのみ得られる準安定状態であることが明らかとなった。ふたつめは、第一原理計算を用いて従来の熱的なイオン交換において、狙った固溶体の組成を得る手法を確立したことである。熱的なイオン交換では、原系として前駆体とイオン源、生成系として合成を狙う相(ターゲット相)と副生成物が関わる。イオン交換後のターゲット相の組成が、イオン源と副生成物のエントロピーやエンタルピーによって決定されることを明らかにした。 2年間にわたった本研究の主な成果は下記の2つである。①電気化学的に陽イオンを置換する手法を技術的に確立したことこと。これにより、これまで熱的なイオン交換では不可能であった準安定状態を、電圧の力を借りることで実現できることを実証することができ、材料探索のフィールドを拡大することができた。②従来の熱的なイオン交換においても第一原理計算を用いたエンタルピーの見積もりにより、イオン交換が進行するかいなか、固溶体が生成するかいなか、および、固溶体が生成する場合はそのおおまかな組成を推測する手法を確立したこと。これにより、あるターゲット相を合成する際に最適な前駆体とイオン源を、実験することなく高速でスクリーニングすることが可能となった。
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