研究課題/領域番号 |
22K18900
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
中田 大貴 長岡技術科学大学, 産学融合トップランナー養成センター, 特任講師 (80800573)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | マグネシウム合金 / 圧延加工 / 結晶組織 / 引張双晶 / 電子線後方散乱回折 / 同視野観察 / 動的再結晶 / 双晶 / 引張特性 / 集合組織 / 変形双晶 / プレス成形性 / プレス成形 |
研究開始時の研究の概要 |
マグネシウムは構造用金属の中で最も軽く、その密度は鉄鋼材料およびアルミニウムの1/4.5および2/3しかないため、自動車の軽量化・省エネルギー化に重要な役割を持つと期待されているが、強度と室温成形性の同時発現が難しく、安価な自動車の構造部材として使われることはなかった。本研究では、これまでの室温プレス成形型マグネシウム開発では注目されることの無かった「動的再結晶(展伸加工中に生じる再結晶)」を駆使した結晶粒径と集合組織の同時制御に挑戦し、既存自動車パネル用金属材料を凌駕する新しいマグネシウム合金圧延材を開発する。
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研究成果の概要 |
大ひずみ圧延加工によるマグネシウム合金圧延材の特異な集合組織形成メカニズムを解明した。Mg-3Al-0.4Mn(mass%)合金に圧下率50%の圧延加工を行い、熱処理を行ったところ、(0001)面が圧延面に対して90°程度も傾斜する結晶配向を形成することがわかった。電子線後方散乱回折(EBSD)による同視野観察や透過EBSD等の詳細な組織観察の結果、超微細な動的再結晶粒と引張双晶を同時に形成させることが、特異な結晶配向の形成に重要な役割を果たすことを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既存マグネシウム合金圧延材は、室温成形性と強度特性を両立しないことが実用化の妨げとなっていた。これらの両立には、微細結晶組織と集合組織制御を同時に達成する必要があるものの、従来プロセスでは実現不可能であった。本研究成果として、大ひずみ圧延加工を行うことで、動的再結晶と引張双晶を促進させ、上記を同時に実現できる可能性を示した。大ひずみ圧延加工に適した合金組成や加工熱処理条件の最適化を進めることで、安価な生産コストで成形性と強度に優れるマグネシウム合金を提案できる可能性が高いため、本研究成果は、輸送機器の軽量化を促進する重要な技術になると期待される。
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