研究課題/領域番号 |
22K18915
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
跡部 真人 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (90291351)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | フロー反応 / 多段階連続反応 / アミノ酸合成 |
研究開始時の研究の概要 |
アミノ酸は食品、医薬品、化粧品など我々の日常生活において幅広く利用される有用な化合物である。しかしながら、従来のアミノ酸の化学合成法には、毒性の高いシアン化物や重金属試薬が多用されており、持続可能な社会実現のために、環境に調和した革新的な新規反応プロセスに置き換える必要がある。そこで本研究では既往のアミノ酸合成プロセスに代わり得る革新的なアミノ酸合成法の構築を目指し、試薬フリーでありながら電位や電流値の制御により常温・常圧下で高度な合成反応が実施でき、連続的かつ効率的な生産も実現できるフロー電解技術を基軸とした連続フロー反応システムを世界に先駆け創出する。
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研究実績の概要 |
本研究では持続可能な社会の実現に資する革新的なアミノ酸合成プロセスの構築を念頭に、連続フロー反応システムの創出を目指す。アミノ酸の合成原料としては、安価で入手容易なアルデヒド、アミンならびにCO2を用いることを想定している。すなわち、アルデヒドとアミンとの脱水縮合によりイミン中間体を生成し、これをCO2が溶存する電解液と混合させた後、フロー電解リアクター中においてカルボキシル化を行うことで、目的のアミノ酸が合成できるものと着想した。また、この方法は連続的なフロー反応に立脚していることから、脂肪族アルデヒドや窒素上が保護されていないアミン由来の不安定な中間体イミンを生成する場合においても即座に後続の電解カルボキシル化に供することが出来る。これにより、これまで合成実績のない種々の新規脂肪族アミノ酸の合成も見込まれる。さらに、後続過程のカルボキシル基の導入にあたっては、試薬を用いずに安価で無毒なCO2を電気化学的に導入できる電解カルボキシル化を採用することから、有毒なシアン化物イオンを用いるストレッカー法や重金属試薬を用いる従来の化学合成法に比して、環境調和性が格段に向上する。 上記のような目的を達成するため、2022年度は第一段階のアルデヒドとアミンと脱水縮合を効率的に進行させるための脱水剤(モレキューラーシーブ、MgSO4、Na2SO4など)の選定や脱水剤充填カラムの寸法(内径、カラム長)、流速などの最適化を行い、効率的なイミン生成のための条件を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に予定されていた研究項目「脱水縮合によるイミン生成のためのカラムフロー脱水システムの開発」について当該システムのオペレーションパラメータの最適化と効率的なイミン生成のための条件を整えることに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、後続反応過程における流速、電流密度、リアクター寸法(流路長、流路幅、電極間距離)の最適化を図ることで、高効率・高選択的な電解カルボキシル化プロセスを開発する。なお、フロー電解リアクターは、これまでの研究において申請者が自作してきた薄層型のものを適宜改良しながら用いる。また、最適条件の導出においては、ベンジリデンアニリンの電解カルボキシル化をモデル反応に選定する。
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