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革新的機能的ヒト抗体配列ーエピトープのハイスループット解析技術開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K18919
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分27:化学工学およびその関連分野
研究機関名古屋大学

研究代表者

中野 秀雄  名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (00237348)

研究分担者 ダムナニョヴィッチ ヤスミナ  名古屋大学, 生命農学研究科, 講師 (00754673)
兒島 孝明  名城大学, 農学部, 准教授 (40509080)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
キーワード無細胞蛋白質合成系 / ヒト抗体 / ウサギ抗体 / エピトープマッピング / 抗体 / エピトープ / リボソームディスプレイ / 無細胞タンパク質合成系
研究開始時の研究の概要

ヒト体内に存在するB細胞が産生する抗体分子は、感染防除や予防、がん細胞除去な どを担う一方、自己免疫疾患やがん細胞増殖にも関わるなど、多面的な機能を有することが知られている。抗体の標的分子は可変領域の配列で決まっているのであるが、その配列と標的であるエピトープを網羅的に解析する手法は存在せず、それらの関係性は不明のままである。本研究では、エマルジョン中での極微細反応場や無細胞タンパク質合成系、さらには次世代シーケンスやバイオインフォマティクスを駆使することで、抗体配列とエピトープを迅速安価に解析する新たな方法論を開発する。

研究実績の概要

標的分子に結合するモノクローナル抗体を網羅的に取得することと、取得抗体のエピトープを決定することは、免疫系を理解し、それらを医療だけでなく様々に産業利用していくためには大変重要な技術課題である。ともに一つの抗体に対して作業を行う場合でも数ヶ月単位の時間が要する作業であり、相当のコストがかかる。したがって生体内に存在する10の16から18乗にものぼるレパートリーのうち、ある特定の抗原に対するほんの少しもの抗体とそのエピトープを「網羅的」に解析することは全く不可能であった。本研究では、抗体配列とそのエピトープ、網羅的に解析することを可能にする技術課題に取り組んでいる。昨年度に引き続き、本年度は、1)リボソームディスプレイを用いたウサギおよびヒトFab抗体のライブラリー構築技術の開発とモデルスクリーニングの実施、2)リボソームディスプレイ、次世代シーケンスとバイオインフォマティクスによるエピトープ推定技術の開発に取り組んだ。1)については、ヒト・ウサギの抗体を短鎖Fabとして網羅的にリボソーム上に提示して、各種抗原に対するスクリーニングを行った。腸内細菌を抗原としてそれに結合できるヒト抗体配列を、リボソームディスプレイにより濃縮し、大腸菌にクローニングして塩基配列を解析し、無細胞タンパク質合成系によりFabとして解析を行なった。またウサギに関しても標的産物に結合する抗体配列の濃縮に成功した。2)については、ランダムペプチドライブラリーをリボソーム上に提示し、モデルとした無細胞蛋白質合成系により合成したFabに結合するペプチド配列を濃縮し、次世代シーケンス解析と独自に作成したPythonプログラムを用い、標的分子中からエピトープを推定する手法を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2022年度末の時点では、
1)リボソームディスプレイ法により抗原に対する抗体セレクションのプロセスを確立する。2)無細胞タンパク質合成系により合成したFab抗体に対してリボソームディスプレイによりエピトープマッピングを行う際の条件検討;3)上記のFab抗体を多サンプル(96種類程度)同時解析行うための、条件検討を行う。;4) エマルジョン中での抗体L鎖H鎖mRNA結合反応の条件を検討する。としていたが、1)の条件検討の際に、副産物のDNA断片の増幅が顕著になったため、その対策に時間をとられてしまい、検討予定の3)と4)の実験を行うことができなかった。

今後の研究の推進方策

これまでの研究成果をもとに、
1)無細胞タンパク質合成系により合成したFab抗体を多サンプル(96種類程度)同時解析行うための、条件検討を行う。
2)エマルジョン中での抗体L鎖H鎖mRNA結合反応の条件を検討する。
3) 2)の条件で増幅した天然ペアの抗体L鎖H鎖を有する短鎖Fab抗体のリボソームディスプレイ法を確立する。
4)3)でスクリーニングした抗体のエピトープをハイスループットに合成する方法論を確立する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Rapid and cost-effective epitope mapping using PURE ribosome display coupled with next-generation sequencing and bioinformatics2024

    • 著者名/発表者名
      Jia Beixi、Ojima-Kato Teruyo、Kojima Takaaki、Nakano Hideo
    • 雑誌名

      Journal of Bioscience and Bioengineering

      巻: 137 号: 4 ページ: 321-328

    • DOI

      10.1016/j.jbiosc.2024.01.008

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] PUREリボソームディスプレイとNGSにより無細胞合成Fab抗体のエピトープマッピング2023

    • 著者名/発表者名
      Jia Beixi、加藤晃代、中野秀雄
    • 学会等名
      化学工学会第88年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] PURE-RDとNGSを用いて迅速なエピトープマッピング法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      Jia BEIXI, 加藤 晃代, 兒島 孝明, 中野 秀雄
    • 学会等名
      第75回日本生物工学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 腸内細菌に対するヒトモノクローナル抗体取得の試み2023

    • 著者名/発表者名
      近藤冴香, 加藤晃代, 中野秀雄
    • 学会等名
      令和5年度 愛知県農学系4機関による研究交流会プログラム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] DNA免疫とリボソームディスプレイ法を用いたウサギモノクローナル抗体取得技術の開発2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤滉、木原もなみ、加藤晃代、中野秀雄
    • 学会等名
      令和5年度 愛知県農学系4機関による研究交流会プログラム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 一分子・一細胞由来タンパク質探索技術開発とその産業応用2023

    • 著者名/発表者名
      中野 秀雄, ダムニャノビッチ ヤスミナ,加藤 晃代
    • 学会等名
      化学工学会 第54回秋季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] PUREリボソームディスプレイとNGSを用いたエピトープマッピング方法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      Jia BEIXI, 加藤 晃代, 兒島 孝明, 中野 秀雄
    • 学会等名
      2023年度日本生物工学会中部支部例会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] PUREリボソームディスプレイとNGSによる無細胞合成Fab抗体のエピトープマッピング2023

    • 著者名/発表者名
      Jia Beixi、加藤晃代、中野秀雄
    • 学会等名
      化学工学会第88年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] リボソームディスプレイとNGSによる無細胞系で合成したFabのエピトープマッピング2022

    • 著者名/発表者名
      Jia BEIXI, 兒島孝明,加藤晃代、中野秀雄
    • 学会等名
      日本農芸化学会 中部支部 第193回例会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-07-05   更新日: 2024-12-25  

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