研究課題/領域番号 |
22K18934
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
保原 麗 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (30568176)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | グラフェン / スピン / SPM / プローブ / SiC |
研究開始時の研究の概要 |
グラフェンの高い強度・長いスピン拡散長といった特性と、強磁性体と常磁性体に発生する電圧がスピン圧に比例する現象を利用し、スピン圧を測定できる、頑強な直接接触型のプローブを開発し、通常の電気伝導度測定と同様な手軽さで、試料にそのものに微細加工を施さずともスピン輸送現象の「実空間」「その場」計測が行えるような新奇なスピン物性測定手法の確立を目指す。 スピンデバイス評価やスピン輸送特性計測において有用であるだけでなく、将来は「スピン流マッピング」や「スピン圧マッピング」といった画期的な物性測定につながる可能性がある。また、グラフェンのスピンデバイスへの応用の端緒となると考えている。
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研究実績の概要 |
本研究では、グラフェンの高い強度・長いスピン拡散長といった特性と、強磁性体と常磁性体に発生する電圧がスピン圧に比例する現象を利用し、スピン圧を測定できる、頑強な直接接触型のプローブを開発することを目指している。 本年度はSiC熱分解法によるグラフェンのエピタキシャル成長プロセスを確立した。グラフェンはスピン伝達経路及び接触部分に用いる予定のため、均質で高品位に製膜する必要がある。SiCの熱分解法では、通電やマイクロ波加熱等を用いることが多いが、本研究では均質な製膜のために傍熱型の加熱装置を製作し、高品質なグラフェンの安定的な製膜に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の予定であったグラフェン成長プロセスは確立できた。
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今後の研究の推進方策 |
グラフェンを用いたスピン伝達回路の形成にはエッチング・アッシング等によるグラフェンの切削が必要になる。また、スピン圧検出回路、注入回路を作成するには金属の製膜が必要となる。グラフェンは安定な物質で濡れ性が悪く、グラフェン上でこれらの微細加工を行うには経験が必要となる。次年度はグラフェン上の微細加工を重点的に研究する予定である。
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