研究課題/領域番号 |
22K18935
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
林 将光 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (70517854)
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研究分担者 |
河口 真志 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (90792325)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | スピン流 / 半導体 / 接合 / トポロジカル絶縁体 / ディラック半金属 / 移動度 / pn接合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではスピン流生成効率が大きい半金属や狭ギャップ半導体を用いてバイポーラトランジスタなどを作製し、スピン流を増幅できるスピン流アンプを開発する。具体的にはスピンホール効果と逆スピンホール効果を利用して、電子とホールによるスピン流と電流の相互変換を行い、スピン流を増幅する。スピン流を用いた回路の基本要素であるスピン流アンプを実現し、スピン流物理の解明とそれを利用したデバイスに革新を起こす。
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研究成果の概要 |
本研究ではスピン流アンプの作製を目指して、キャリアの移動度が大きく、かつ多数キャリアが電子(n型)とホール(p型)のスピン流源として、Bi2Te3とSb2Te3を作製することに成功した。スピン流の大きさは電流誘起磁気光学効果を利用して評価した。さらに、Bi2Te3/Sb2Te3ヘテロ構造(np接合)を作製し、それぞれの単層とは異なる電流誘起磁気光学効果をを観測した。これは接合界面の特異な電子状態を反映している可能性がある。今後は、界面でのスピン生成、拡散、緩和をより詳細に調べ、将来的にはスピン流を増幅できるスピン流アンプの作製に繋げていきたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では半金属や狭ギャップ半導体を用いて、pn接合の作製した。試料は多数キャリアが電子のBi2Te3と、ホールのSb2Te3を組み合わせて作製した。Bi2Te3、Sb2Te3どちらも移動度が大きく、有意なスピン流が生成されることを確認した。Bi2Te3/Sb2Te3接合を作製した結果、接合特有のスピン流の検出に成功した。スピンが関与するpn接合の作製はこれまでほとんど行われておらず、学術的意義が大きい。今後、スピン流を増幅できるスピン流アンプに展開できる可能性があり、本成果を土台に研究が大きく発展することを期待する。
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