研究課題/領域番号 |
22K18943
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
内橋 貴之 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30326300)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 高速原子間力顕微鏡 / 一分子計測 / 機械特性 / 表面電荷分布 / ダイナミクス / タンパク質 / 電荷分布 / 物性 / 一分子 / 局所物性 |
研究開始時の研究の概要 |
高速原子間力顕微鏡(AFM)技術をベースとして、プローブ-試料間の力学的相互用を全て記録しながら、試料の機械特性と電荷情報をリアルタイムに抽出するマルチモーダル単一分子イメージング技術を開発する。これにより、溶液環境にある生体分子の構造と同時に、機械特性や電荷などの物性分布とそれらの時空間ダイナミクスの1 nm以下の空間分解能、100 ms以下の時間分解能での可視化を実現する。
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研究成果の概要 |
高速AFMに近赤外レーザーを導入し、カンチレバーを光熱励振することで、共振周波数より低い周波数でカンチレバーを安定に励振できるようにした。オフレゾナンスでのカンチレバー励振により、探針が試料に接触する際のカンチレバーの変位を計測できることを確認した。現在、探針が試料に接触する前後のカンチレバー変位のみを計測し、データ数を減らすソフトウェアを実装中であり、近い将来、AFMイメージングと同時に全ピクセルでフォースカーブを取得し、機械特性や表面電荷分布の一分子スケールマッピングが実現できると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、高速AFMにおいてカンチレバーの光熱励振を用いたオフレゾナンス励振法を実装し、AFMイメージングと同時に各ピクセルでのフォースカーブ計測の基盤を確立した。本手法により、生体分子の構造と物性の相関を直接観察できるようになり、分子の機能メカニズムの理解が深まると期待される。また、本技術は創薬、バイオセンサー、ナノデバイスなど幅広い分野での応用が期待され、新たな創薬ターゲットの発見や材料開発の効率化にもつながる可能性がある。本研究は、基礎科学の発展だけでなく、産業応用や社会全体に対しても大きなインパクトを与える可能性を秘めている。
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