研究課題/領域番号 |
22K18951
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
小島 伸彦 横浜市立大学, 理学部, 教授 (90342956)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | スフェロイド / ポンプ / 拍動 / 血管内皮細胞 / 血管 |
研究開始時の研究の概要 |
巨大な臓器をつくる方法として、組織工学分野では3Dプリンターの利用が主流であるが、大量の細胞が必要であり現実性に乏しい。幹細胞生物学の分野では、胚盤胞補完法によってブタ体内にヒト臓器をつくる手法が提案されているが、異種動物を使う点や最終的にブタを殺して臓器を収穫する点に倫理的な問題が生じる。スフェロイドのようなミニ臓器を培養して大きく育てるというアイデアも、我々が知る限りこれまで成功例はない。今回の取り組みによって、スフェロイドへの小さなポンプの埋め込みと幼若な血管網の構築を実現できれば、巨大臓器作製の第一歩となる。
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研究成果の概要 |
本研究ではスフェロイドの巨大化を目指して、スフェロイドの内部にポンプを埋め込むことを目的とした。スフェロイドの埋め込むポンプは電気で駆動するものでは不適当である。なぜなら、防水や配線を施す手間が必要となり、そもそも数ミリ程度というサイズでの作製が困難なためである。そこで本研究では中空粒子をポンプとし、これをスフェロイドに埋め込んだ上で液体中で圧力によって駆動することを目的とした。アルギン酸ゲル、シリコンチューブ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)のそれぞれからなる中空粒子を作製し、駆動条件などを検討したところ、PDMSが最も適していることが明らかとなった。その他、温度駆動型のポンプも検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スフェロイドとは細胞をボール状に凝集させた人工組織である。通常のシャーレによる培養よりも高い生理学性を示すため、また、再生医療における組織の最小単位となるため、その重要性はますます高まっている。しかしながら、酸素供給が律速となって、直径200ミクロン程度までが培養可能なサイズとなっていた。本研究ではスフェロイドの中に非接触的・非電気的に駆動できる中空粒子を埋め込み、これを圧力によってポンプのように駆動できることを示した。また、温度変化によって駆動するポンプも検討し、駆動させることによって壊死が抑制できることを明らかとした。これらの成果は、組織工学や再生医療の分野で大きなブレイクスルーである。
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