研究課題/領域番号 |
22K18953
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
渡辺 豪 北里大学, 未来工学部, 教授 (80547076)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 有機半導体 / 結晶構造予測 / 分子動力学シミュレーション / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、機械学習と分子動力学シミュレーションとを連携することで、有機半導体単結晶について、分子構造のみから結晶構造を高精度に予測できる計算科学プラットフォームの構築に取り組む。具体的には、独自のノウハウで蓄積した有機半導体結晶構造データに基づく結晶構造探索するための機械学習モデルの作成、バルク単結晶の分子動力学シミュレーションによる構造安定性評価、そして結晶多形を予測可能な新規分子動力学シミュレーション手法の確立を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、機械学習と分子動力学(MD)シミュレーションとを連携することで、有機材料、特に有機半導体単結晶について、分子構造のみから結晶構造を高精度に予測できる計算科学プラットフォームの構築に取り組んでいる。 2023年度では、前年度に作成した有機半導体単結晶において重要な情報であるパッキング構造を予測する機械学習の高精度化(約98%の正答率を実現)、そして複数の機械学習モデルの比較・検証を行った。最も適切な機械学習モデルにおいて、それぞれのパッキング構造に寄与する重要度の高い部分構造を明らかにするためにSHAP(SHapley Additive exPlanations)値を求めた。実際に、各パッキング構造への寄与が大きい部分構造を含んでいる有機半導体と、予測されるパッキング構造の相関関係が適切であることを確認できた。これは所望の結晶構造の有機半導体を設計する上での有意義な成果といえる。 また、結晶構造探索プログラムとMDシミュレーションを併用して、分子構造のみから有機半導体の集合体構造を予測する方法についても、n型有機半導体だけでなくp型有機半導体について適用可能であることを検証した。特にp型については、ヘリングボーン構造を取り、同一のコアで系統的に側鎖が異なる分子に対しても十分な精度での予測に成功した。その際、単純にバルクの構造についてのみMDシミュレーションを行うのではなく、薄膜構造に対しても実行することが有用であると分かった。さらには予測構造の絞り込みが可能な手法への発展も実現している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、有機半導体単結晶のパッキング構造を予測可能な機械学習モデルを高精度化に成功した。さらには、特定のパッキング構造を実現するための分子設計指針の獲得もできている。 また、分子構造のみから有機半導体の集合体構造を予測する計算科学的手法についても複数種の分子について検証を行い、さらには精度の向上も実現している。 よって本研究は、計画通り順調に進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究では、有機半導体単結晶のパッキング構造を予測することができる機械学習モデルの構築を達成しているが、より詳細な結晶構造の情報である分子のコンフォーメーションやコア部分の配向度の予測に取り組む。予測精度が低い分子群については、その特徴を理解し、どのように機械学習モデルの精度向上に繋げるかを検討する。 また、引き続き、温度に依存した結晶多形が見られる有機半導体についてMDシミュレーションで再現可能なモデルの構築を目指す。
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