研究課題/領域番号 |
22K18956
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
馬 仁志 国立研究開発法人物質・材料研究機構, ナノアーキテクトニクス材料研究センター, グループリーダー (90391218)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | ナノシート / 遷移金属 / 水酸化物 / 電極触媒 / 配位不飽和 / ナノ構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、環境・エネルギー分野においての未踏化合物であり、配位数の小さな金属サイトを基本骨格とする「配位不飽和型金属化合物」に着目する。具体的には、3d遷移金(Fe、Co、Ni等)を中心イオンとする4配位または5配位を含む不飽和な局所配位環境を持つ新規ナノ構造を設計・合成し、配位不飽和サイトに起因する高い酸化還元(レドックス)活性を利用することにより、触媒特性の大幅な向上を図る。さらに、計算科学との緊密な連携を通じて、微視的スケールでの反応機構を解明する。
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研究成果の概要 |
安価な3d遷移金属(Fe、Co、Ni等)をベースに、Fe系層状複水酸化物(LDH)やオキシ水酸化物ナノシートの精密合成を行った。得た一連のNi含有Fe系LDHナノシートは酸素発生反応(OER)触媒として、これまでに報告された最も活性高いNi2+-Fe3+ LDHと同等な高性能を得た。また、Fe2+を含む多孔性オキシ水酸化鉄ナノシートは電気化学的窒素還元反応(ENRR)触媒として、バルク前駆体よりはるかに高いNH3収率と優れたファラデー効率を示した。中心金属イオンの酸化状態や配位構造の高度制御は、高性能ナノ触媒の開発につながる重要な戦略として実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
燃料電池や水の電気分解、アンモニア合成などの物質・エネルギー変換プロセスにおける化石燃料への依存度を下げるため、安価で優れた性能を有する触媒の開発は不可欠である。本研究は、貴金属代替高性能触媒の開発に向けて、安価な3d遷移金属(Fe、Co、Ni等)をベースに、金属組成、配位構造、原子価が高度制御されたLDHやオキシ水酸化物ナノシートの精密合成を行い、得られたナノシートはOERやENRRにおいて優れた電極触媒性能を示した。本研究成果は、遷移金属化合物ナノ構造の合成及び触媒機能開拓に新しい設計指針を提供するものとして高く期待できる。
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