研究課題
挑戦的研究(萌芽)
光合成の初期過程の一つに、光励起された葉緑素からの電子移動(光電変換)がある。その効率は極めて高く、詳細な機構解明のため盛んに研究が行われてきた。従来の研究には主に光学分光法が用いられてきたが、その空間分解能は光の回折限界程度(数百nm)に制限されていた。物質間の電子移動は波動関数の重なり合いによって生じ、原子レベルの構造変化に影響を受ける。そのため、光電変換の物理を解明するためには、原子分解能での観測が本質的に重要だと考えられる。研究代表者は最近、光STMを用いて原子分解能での光電変換観測を実現した。本研究ではこの手法を葉緑素分子に適用し、光合成における光電変換機構の解明を目的に研究を行う。