研究課題/領域番号 |
22K18973
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
長久保 白 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (70751113)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ピコ秒超音波法 / 非同期計測 / バイオセンサ / リアルタイムモニタリング / 超音波 / ナノ薄膜 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では非同期ピコ秒超音波法とナノ振動子を組み合わせることにより、GHz-THz帯の超音波を用いた高感度・無標識・リアルタイムバイオセンサを開発する。病気の診断や創薬の分野において特定のウィルスやタンパク質を検出する技術は欠かせない。特に高感度・無標識・リアルタイム・ハイスループットなセンサの開発が重要である。そこでフェムト秒パルスレーザを用いて溶液中で波長10-100 nmの超音波を励起し、タンパク質吸着に伴う変化に伴う振幅・周波数・Q値をリアルタイムで検出し、新たな超音波バイオセンサを確立する。
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研究成果の概要 |
本研究では非同期ピコ秒超音波法とナノ自立薄膜を組み合わせることにより、GHz-THz帯の超音波を用いた高感度・無標識・リアルタイムバイオセンサを開発した。熱・音響モデルを構築し、振動子の最適化とレーザ加熱による温度上昇の影響を定量的に見積もり振動子の最適化を行った。作製した振動子を用い、抗原抗体反応のモデルとしてプロテインAと免疫グロブリンGの吸着反応を非同期ピコ秒超音波法を用いてモニタリングした。10, 100 ng/mlの濃度の免疫グロブリンG溶液をフローまたは滴下しながら共振周波数の変化をモニタリングし、吸着前後で最大約1%(=10,000 ppm)の検出に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
バイオセンサの発展はまだまだ探求が続いている。本研究ではその重要な一角を占める質量検出型バイオセンサの可能性について研究した。ナノ振動子を用いることで感度はさらに向上する可能性が高く、さらに非同期ピコ秒超音波法を組み合わせることによりリアルタイムで10-100 GHz帯の共振スペクトルを数秒ごとにモニタリングし続けることができる本手法は非常に重要である。またレーザ光を数ミクロンまで集光した計測法であるためハイスループット化も可能であり、そのためには今後ますますの計測時間の短縮化、SN比の向上、振動子の高周波化など、発展の余地が尽きない。
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