研究課題/領域番号 |
22K18977
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
細貝 拓也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (90613513)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 電子親和力 / 機能性材料 / 光電子収量分光法 / 二光子吸収 |
研究開始時の研究の概要 |
電子親和力(EA)は原子や分子にとって基本的な物理量であり、かつ材料の反応性や電子デバイスの光・電気特性を支配する重要な物性値でありながら、その計測の難易度の高さのために報告例が少ない。そこで本研究では、申請者が提唱して2017年に原理検証の一部に成功した『二光子-光電子収量分光法 (2P-PYS)』のアイデアを実現することで、大気を含むいずれの環境下でも材料のEAを簡便かつ非破壊で計測可能とする、従来の課題を解決した新しいEA計測基盤技術の創出に挑戦する。
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研究実績の概要 |
本研究では、原子や分子にとって基本的な物理量でありながらも実験的な決定が容易でない電子親和力(EA:Electron affinity)の大気下での非破壊決定手法の構築を目指している。初年度となる本年度は、実験装置に必要な器具として光源(スーパーコンティニュー光源)と光学部品(ミラーやレンズ、バンドパスフィルター等およびそれらのホルダー)、光学遅延ステージ、フェムトアンメーター等の購入・収集を行った。また、専用の試料ホルダーの設計も行い、フェムトアンメーターを用いた光電子放出に伴う電荷補償型の電流計測システムを組み上げを進めた。電子親和力を決定するには二光子-光電子放出のエネルギーを決定する必要があり、それには第一波であるポンプ光を思料に照射して価電子帯から伝導帯、またフェルミ準位近傍に電荷キャリアを有する材料では伝導帯からエネルギー的に上位に位置する伝導帯に電荷を励起させて、その電荷の寿命の時間範囲内で第二波であるプローブ光を照射して光電子放出を行う。用いるスーパーコンティニュー光源は波長にして410 nmから2400 nmの帯域をカバーできるが、紫外から可視域の光と近赤外の光を損失をなるべく少なくして分けることが望ましい。このためにビームスプリッターを検索したところ、シグマ光機社のコールドミラーが800 nmを閾値としてその長波長領域を90%以上の透過率で透過するとともに、800 nm以下の波長はほぼ損失無しに反射できること分かった。以上の実験器具から二光子-光電子放出のための光学システムを構築した。次年度となる本年度は実験試料を選定して実際に二光子-光電子放出が起こるかどうかを確認することを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナの流行の影響による物流の停滞によって、世界的に半導体を中心とする電子部品の不足に基づく実験器具の納品の遅延が予測されたたとともに、年度途中から所属組織の長期移動による研究時間の確保の問題が生じたが、結果的には年度内には装置の立ち上げに必要な光学部品等の実験器具から計測機器までの収集をほぼ終えており、光学定盤に器具も設置することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2年目となるR5年度は、R4年度において購入した実験器具による装置開発を進めるとともに、年度内に実験試料を選定して電子親和力の大気下での決定を目指す。このために計測プログラムの作成も年度前半に進める。もしテストにおいて光電子放出量がフェムトアンメーターの計測限界以下とのことが分かった場合は、一端、計画を見直して低真空下での計測も試験するとともに、光電子放出の効率的な収集のための電極の開発や光電子カウンティング計測へ変更も視野に入れる。
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