研究課題/領域番号 |
22K18983
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分30:応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
坂本 盛嗣 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (60757300)
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研究分担者 |
勝部 大樹 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (00831083)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 光渦 / メタマテリアル / 光格子 / 液晶光配向膜 / 光マニピュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画では、強度分布の時空間変形が可能な特異なビームを用いた光ピンセット技術に立脚し、光学的にトラップされた微粒子アレイから成る動的なメタマテリアルを光形成することに挑戦する。トラップ光のビーム形状を高速変調させ、MHz以上の周波数でメタ原子が高速回転・変形するという従来に類を見ないメタマテリアルを形成するとともに、その電磁応答特性を理論と実験の両面から解明する。本研究計画の実現により浮遊型動的メタマテリアルの実現とその新奇な潜在的有用性が示されれば、特異光波のみならずメタマテリアルにおける学術的・技術的方向性の新たな指針とも成り得る。
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研究実績の概要 |
電磁波の波長以下の微細な金属や誘電体構造(メタ原子)を周期的に配列させることで自然界には無い電磁応答特性を発現させるメタマテリアルの研究の多くは、基板内部ないし表面上にフォトリソグラフィーなどで直接メタ原子を形成するが、形成されるメタ原子のサイズや形状が固定化されるため、その電磁応答特性を後天的に制御することは難しい。本研究では、強度分布の時空間変形が可能な特異なビーム(リング状光格子)を用いた光ピンセット技術に立脚し、光学的にトラップされた微粒子から成る動的なメタマテリアルを光形成することに挑戦する。トラップ光のビーム形状を高速変調させ、MHz以上の周波数でメタ原子が高速回転・変形するという従来に類を見ないメタマテリアルを形成するとともに、その電磁応答特性を理論と実験の両面から解明する。
令和4年度は、主に光ピンセットの実験を進めた。波長488nm、532nm、980nmの光源をそれぞれ用い、ガウシアン光・光渦・リング状光格子により誘電体微粒子と金ナノ粒子の光トラップが可能かを検証した。また、光ピンセット環境下での補足粒子の高速操作を実現するには、粘性抵抗等の無い真空環境下での光ピンセットが求められるため、高真空環境下での光ピンセット装置の構築の準備を進めた。さらに、光トラップのアレイ構造を形成するために、21x21スポットにリング状光格子を等エネルギーで発生させる機能を持つDammann-Q-plate(DQP)の設計を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
計画当初は、高真空下での光ピンセット装置の構築を令和4年度中に完成させる予定であったが、半導体不足の関係で真空装置類が長納期となり、年度内に必要部材を揃えることが出来なかった。このため、まずは液中で誘電体微粒子及び金ナノ粒子の光ピンセットの条件出しを行うことを先行させた。現状として、液中での誘電体微粒子の多点トラップには成功しているものの、金ナノ粒子のトラップの条件出しに難航している。このため、採用するトラップ光の波長が定まっていない。DQPの設計については、21x21スポットのリング状光格子を発生可能な素子構造を設計出来たが、当初予定していた素子の作製までには至れていない。
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今後の研究の推進方策 |
金ナノ粒子を安定的にトラップできる条件を継続して探求する。令和5年度中旬頃には、真空装置の部材が納品される予定の為、高真空化での光ピンセット装置の構築も進める。令和4年度に設計したDQPについて液晶の光配向法を用いて試作するとともに、21x21のリング状光格子の発生を実証する。また、リング状光格子にトラップされた金ナノ粒子の電磁応答特性についてFDTDにより解析する。
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