研究課題/領域番号 |
22K18989
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分30:応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
太田 泰友 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (90624528)
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研究分担者 |
小林 伸聖 公益財団法人電磁材料研究所, その他部局等, 研究員 (70205475)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 磁気光学 / イプシロンニアゼロ光学 / トポロジカルフォトニクス / 非線形光学 / イプシロンニアゼロ材料 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、誘電率εがゼロ近傍に制御可能なEpsilon Near Zero材料を舞台に、磁気光学効果そのもの非線形応答の探求を行う。さらに、この新しい非線形磁気光学効果についてトポロジカルフォトニクスへの応用を検討し、新奇磁気光学デバイス創出に挑戦する。本研究は、 ともすればマイナーと見られていた非線形磁気光学効果を、デバイス技術へも応用可能なメジャーな効果へと変革し、非線形磁気光学の分野に新しい方向性をもたらすものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、イプシロンニアゼロ(ENZ)特性を示す酸化インジウムスズ(ITO)を舞台に、磁気光学(MO)効果の非線形光学応答の観測とその応用を検討するものである。研究二年度目においては、まずガラス基板上のITO膜の高品質化を図った。アニール温度やチャンバー雰囲気を制御することで、光学損失が小さくかつENZ波長が近赤外域において一層短波長化したITOを実現することに成功した。一方、さらなる低損失化と強いMO効果との両立を目指してナノグラニュラ材料によるMO層とENZ効果を発現するためのITO層の積層構造の検討も行った。鉄コバルトナノグラニュラを中心に検討し、ITOとの積層構造を作製することに成功した。また同膜の光学評価を行い、MO効果の発現を確認した。また、適切な光学コントラストを得るためにITO薄膜の転写技術構築にも取り組んだ。ガラス上のITOをリソグラフィーで断片化し、ガラスをフッ酸で選択除去することでITOの中空薄膜を作製した。同薄膜を転写プリント法で別種のガラス上に転写することに成功した。歪みによるITO膜の変形が見られたものの、貼り付け基板側を適切に処理することで平坦化できることが分かった。逆にITO上への半導体フォトニック結晶の転写技術の開発にも取り組んだ。ITO表面に荒れが見られたものの、転写集積することに成功した。さらには、MO効果を取り込んだフォトニック結晶の数値計算についても引き続き取り組んだ。フォトニック結晶のガイドモード共鳴を活用して光閉じ込めを行うことで、MO効果を大幅に増強できることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験に用いる高品質なITO薄膜の成膜に成功し、MOフォトニック結晶の設計も順調に進んだ。また新たな研究展開へと繋がるITO薄膜の転写にも成功した。ただ、MO分光実験には遅れがみられる。これらの状況を鑑みて、概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は近赤外波長域においてITO薄膜の分光評価実験を進めるとともに、転写可能なITO薄膜という新しい技術を生かした新奇光デバイスの検討を行う。加えて、ENZ-MO多層膜の作製及び検討を進め、同材料のMO分光実験を進める。
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