研究課題/領域番号 |
22K18990
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分30:応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
宮崎 英樹 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 電子・光機能材料研究センター, グループリーダー (10262114)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 気流計測 / 二酸化炭素 / 赤外線カメラ / 流速分布 / 動きベクトル検出 |
研究開始時の研究の概要 |
CO2分子の吸収波長のみを可視化する赤外線カメラを用いると、大気中のCO2のごくわずかな濃度・温度ゆらぎが可視化され、無照明で気流を動的に観察できる。散布したトレーサ粒子をレーザシートで照明し、気流を画像計測する従来手法と異なり、汚染物となる粒子も高強度なレーザも必要とせず、クリーンな環境下でも、室内のみならず屋外でも、実働状態での気流計測が可能となる。本挑戦は一つの気流計測技術に留まらず、画像からCO2総排出量を計測するカーボンニュートラルの基盤技術にも貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究では、CO2吸収波長に合わせた狭帯域低温バンドパスフィルタを内蔵した世界最高の性能の単一波長赤外線カメラを用いることにより、大気中のCO2のごくわずかな濃度・温度ゆらぎを可視化し、無照明で気流を動的に観察する手法を新たな気流計測技術として完成させることを目指している。 初年度に、これまでC++を用いていたプログラミング環境を数値解析ソフトウェアmatlabに変更し、動きベクトル検出法として知られる多数のアルゴリズムから、オプティカルフロー法、特にFarneback法が容易で頑健な処理の実現に適することを明らかにしていた。 本年度は、オプティカルフロー法の前処理方法について検討を加えた。これまでは、個別の対象画像に応じてフィルタの種類やパラメータを試行錯誤的に選択していたが、画像毎に調整が必要で汎用性がなかった。今回、メディアンフィルタを中心に用いれば、個別の画像に影響されずに普遍的な前処理が可能で、それに続いてFarbeback法を適用すれば頑健な流速分布測定が可能になることが明らかになった。 また、CO2ガス排出量の画像計測の上で、オプティカルフロー法による速度場を用いることが排出口からの湧き出し量の計測の上で重要であることがわかってきた。 PIV法の専用ソフトウェアを導入し、実際に我々自身PIV法で実験室内の気流を計測できる環境を構築することを本年度の一つの目標としていたが、PIV法ソフトウェアの導入に留まり、実際のレーザ計測までは進展できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に引き続き、汎用性の高い数値解析ソフトウェアの導入により、従来よりも手軽に効率的に種々の画像処理を試せる環境を構築できたことは今後の開発の上で重要な進展であった。
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今後の研究の推進方策 |
別途導入済みのPIV法の専用ソフトウェアを用い、確立されているPIV法と、CO2可視化カメラを用いた本研究の方法の直接的な比較を進める。また、本手法のオプティカルフロー法に基づいたCO2ガス排出量の画像計測手法の確立も進める。
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