研究課題/領域番号 |
22K18995
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野上 修平 東北大学, 工学研究科, 准教授 (00431528)
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研究分担者 |
能登 裕之 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (50733739)
清水 信 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60706836)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 再結晶脆化 / タングステン / 分散強化 / ヘリウム注入 / 合金化 / イオン注入 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、これまでにない設計思想に立脚した「再結晶脆化しない」タングステン合金を創生し、実機器における有効性を実証することである。熱光起電力発電システムのエミッターや核融合炉ダイバータなどにおいて、耐熱性の観点からWの使用が検討されているが、高温に晒されることによる再結晶と、その後の粒成長、それらによる脆化(再結晶脆化)を要因とする劣化が課題とされている。本研究では、再結晶した組織に対し、合金化や分散強化といった技術に加え、ヘリウム注入による組織安定化技術を適用することにより、再結晶脆化しないW合金を創生し、この課題を打破する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、これまでにない設計思想に立脚した「再結晶脆化しない」タングステン(W)合金を創生し、実機器におけるその有効性を実証することである。熱光起電力(TPV)発電システムの熱輻射制御エミッターや核融合炉のダイバータなどにおいて、耐熱性などの観点からWの使用が検討されている。しかし、高温に晒されることによる再結晶と、その後の粒成長、それらによる脆化(再結晶脆化)に起因した劣化が課題とされている。転位を多く含んだ加工組織を有する従来のWは、高温に晒されると再結晶や粒成長が起きるため、最高使用温度・時間はそれらの発現条件で制限される。合金化や分散強化などによる改質で再結晶温度・時間は一定程度向上させられるが、その条件を超えると再結晶し、改質のメリットを打ち消すレベルで脆化する。本研究では、そもそも再結晶や粒成長せず、再結晶脆化しない強靭な超耐熱W合金を創生し、この課題を打破する。 2022年度は、再結晶・粒成長挙動に及ぼす合金化および分散強化の影響、光学特性に及ぼす合金化および分散強化の影響、について明らかにした。いずれも、合金元素としてはレニウム(Re)とタンタル(Ta)、分散強化としてはカリウムドープ(Kドープ)とランタン酸化物分散(La2O3分散)、を適用とした。再結晶・粒成長の評価としては、1時間の等時熱処理と1100℃における等温熱処理後の硬さと微細組織を評価した。光学特性としては、TPVエミッターにおいて重要な反射率を評価した。その結果、合金化および分散強化のいずれも、再結晶および粒成長を抑制した。等時熱処理および等温熱処理のいずれにおいても、分散強化に比べ合金化の方がその抑制効果が高く、本研究で目指す材料開発において有効であることが示された。反射率については、合金化および分散強化のいずれも影響はほとんど見られず、純Wの光学特性を維持できることが示された。
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