研究課題/領域番号 |
22K18996
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
清水 裕彦 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (50249900)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 中性子光学 / 中性子磁気光学 / 勾配磁場 / 中性子科学 |
研究開始時の研究の概要 |
低速中性子ビームの無損失輸送を、平面状に配置された永久磁石を用いて発生した非一様磁場中で中性子の双極子能率が受ける加速度を用いて実現できることを実証し、新たな中性子導管の実用化及び具体的な応用方法を明らかにする。これによって基礎物理、物質研究から産業利用にわたる広範な利用分野で拡大する中性子需要を賄うための新たな基盤技術として実用的利用を開拓する。本方法による中性子輸送は、従来法に比べて組上精度や設置精度を引き下げることができるため、安価で高効率輸送を可能とするものである。
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研究実績の概要 |
勾配磁場中で、永久磁石を平面状に配列することで表面近傍に集中した磁場勾配を構成し、当該面に対して斜入射する冷中性子ビームが、局所磁場に対する中性子スピン極性に応じて二通りの経路に分離することを検証した。この実験では原理実証を迅速に実行することに力点を置き、磁石配列規模は小規模に留めた。小規模に留めたことで、冷中性子ビームの完全分離には至っていないが、原理を確認するには十分な結果であった。この結果に基づいて、光学素子としての実用性を検討するとともに、より明確な中性子ビームの偏向を実測することを試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
勾配磁場は極めて小さな空間的領域内で実現されるため、磁場プローブによる磁場分布を計測することは困難である。そこで、磁場設計との整合性を確認するために、実際に中性子ビームの偏向を観測することとした。平面状に配列した永久磁石で当該面近傍に集中した磁場勾配を構成し、当該面に対して斜入射する冷中性子ビームが、局所磁場に対する中性子スピン極性に応じて二通りの経路に分離することを検証した。計測に用いた中性子ビームは研究炉JRR3の冷中性子ビームであり、設計通りに中性子ビームが偏向を受け、二つの経路に分離することを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
平面状に配列した永久磁石を用いて発生させた勾配磁場を用いて、実際に冷中性子ビームを設計通りに偏向させることができたので、今後は、光学素子としての実用性を検討するとともに、より明確な中性子ビームの偏向を実測することを試みる。
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