研究課題/領域番号 |
22K18997
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
柳田 健之 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (20517669)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | シンチレータ |
研究開始時の研究の概要 |
シンチレーション検出器のエネルギー分解能が向上すれば、医療やセキュリティといった応用、元素分析などの基礎科学に大きな影響を与える。本研究では、光電変換素子とシンチレータ双方の特性を融合させることで、662 keV で 1% 以上のエネルギー分解能の達成を目指す。
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研究実績の概要 |
高エネルギー分解能なシンチレーション検出器の開発を目指し、初年度に引き続き、近赤外線の波長域におけるSm2+の5d-4f遷移の発現を目指し、幾つかの Sm 添加シンチレータを作製し、その特性を評価した。発光波長は狙い通りに 700~900 nm 近傍の赤・近赤外域に発現させることができた。昨年度までは二元系の単純なハロゲン化物に絞って基礎検討を行ってきたが、本年度では複数のカチオンを含む三元系まで試作を行った。中でもSm添加CsBa2I5は発光波長が750 nm近傍にブロードな発光ピークを有しており、Siアバランシェフォトダイオードと組み合わせて特性を評価したところ、約40000 ph/MeV の高い発光量と、4%程度の高いエネルギー分解能を示した。今回はSm濃度を1%仕込みとして検討を行ったため、今後は添加量の最適化を行う事で、より特性を向上できるのではないかと期待している。またこのシンチレータの読み出しに汎用の光電子増倍管を用いたところ、ほとんどシグナルは観測できず、近赤外発光シンチレータとSi光電変換素子の組み合わせが、検出器として良好な特性を示すことを確認できた。また付随した研究として酸化物の検討も行ったところ、Li2CaSiO4やAl4SiO8などもSm2+の発光を示すことが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度には二価陽イオンサイトを有する二元系ハロゲン化物で、Sm2+の発光が発現しやすいというコンセプト検証を行い、今年度は三元系のハロゲン化物でもSm2+の発光が発現することを確認し、既存のシンチレータ・シンチレーション検出器に比較して、良好な発光量やエネルギー分解能を達成できた。そのためおおむね目標は達せられた。
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今後の研究の推進方策 |
ホストをCsBa2I5ベースにし、CsをKやRb、BaをCaやSr、陰イオンをClやBrにしたものにSmを添加し、シンチレーション特性の評価を順次行っていく。
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