研究課題/領域番号 |
22K18999
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森 昌司 九州大学, 工学研究院, 教授 (10377088)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 水電解 / ハニカム多孔質体 |
研究開始時の研究の概要 |
過剰な発電分を水素として貯蔵する水電解技術の高度化が必須である。特に最近は導入コスト削減のため高電流密度化し小型化するニーズが急激に高まっている。そのときの限界は、電極が大量の気泡に覆われてしまう水の物質移動律速で発生する。したがって電極上の微細気泡をうまく排除し、水を電極面に如何に供給できるかが鍵となる。ナノ流体を沸騰させ、その中で伝熱面に付着させると自己組織化現象により蒸気の排出が促進されるように伝熱面に多孔質層が形成され、大幅な限界熱流束向上効果が得られた。そこで、同様にナノ流体中で電極面上にナノ粒子を付着させそれが大幅な水電解の性能が向上できることを実験的に実証する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、ハニカム多孔質体とナノ流体(ナノ粒子を混濁させた溶液)を用いて水電解を高効率化させる新しい手法を提案・実証することを目的としている。水素社会到来のためには、安価かつ高効率で環境に優しい水素生成プロセスが必要である。そのためには、水電解を小型、かつ低い電圧で効率よく大量の水素を生成できる技術が重要である。これまでの研究で、沸騰と水電解のアナロジーに着目し、これまで申請者が沸騰冷却の限界を向上させるために開発してきたハニカム多孔質体を水電解に適用し、水電解の限界電流密度を向上させている。これに加え最近の申請者の沸騰研究で、ハニカム多孔体とナノ流体を組み合わせると冷却の限界が3倍以上まで大幅に向上するという興味深い結果も得ている。実験後に伝熱面を観察するとハニカム多孔体直下で生成した気泡が排出されやすいようにナノ粒子堆積層内部で自己組織的にマイクロチャンネルが形成されていた。したがってハニカム多孔質体による極限冷却技術とナノ流体冷却技術を組み合わせ、水電解に適用すれば高電流密度で効率的に水素を製造できる可能性がある。現状、ナノ粒子を電極表面にコーティングする技術を開発しているところである。今年度に電極性能を測定し、どの程度性能向上が達成できたか検討する予定である。これと並行して、ニッケル製の金網に電解析出による電極生成させる方法についても検討を行った。電極表面積を電気化学的に評価しながら検討した結果、気泡がぬける孔(金網の目)が小さくなるほど、低い電圧においても性能が劣化することが明らかとなり、性能向上には最適な気泡排出のための孔サイズが存在することがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では沸騰と水電解のアナロジーに着目し、これまで申請者が開発してきたハニカム極限冷却技術とナノ流体冷却技術を融合させ水電解に適用する予定である。現状、ナノ粒子を電極表面にコーティングする技術を開発しており、予定通りその手法が確立してきたから
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今後の研究の推進方策 |
電極性能を測定して、どのような形状・性状が性能が高いかについて検討を行っていく。
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