研究課題/領域番号 |
22K19001
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
本田 充紀 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, マネージャー (10435597)
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研究分担者 |
村口 正和 北海道科学大学, 工学部, 准教授 (90386623)
小田 将人 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (70452539)
石井 宏幸 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (00585127)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 熱電変換材料 / 土壌粘土鉱物 / 溶融塩 / 高温 / 風化黒雲母 / 熱電材料 / 熱電物性 / X線分析 |
研究開始時の研究の概要 |
熱電材料は無益な排熱を有用な電力へ変換する材料である。高い変換効率材料の多くは希少・有毒・高価で実用性に難がある。代替材料として注目されるMg-Si系やFe-Al系も合成過程が複雑という課題がある。代表者は溶融塩法を用いて汚染土壌から放射性Csを除去する研究過程で土壌粘土鉱物からMg2Siより高い熱起電力をもつ鉱物が出来ていることを偶然発見した。本研究では溶融塩法の各条件を系統的に変えてできた多結晶鉱物に対し種々のX線分析と第一原理計算を駆使し結晶構造を同定する。さらに構造と物性の相関を熱電3物性計測(ゼーベック係数、電気抵抗率、熱拡散率)から明らかにし効率よく熱電材料生成条件を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、希少かつ有毒な物質から得られる従来の熱電材料に代わる、豊富かつ無毒な環境調和型の熱電変換材料の創製として、風化黒雲母(WB)を利用することを検討したものである。我々は、WBを粉砕、分級、溶融塩法による熱処理等によるプロセスを開発することにより、650℃から850℃の範囲で半導体に類似した電気伝導特性を示す結晶鉱物の合成に成功した。 溶融塩法により得られた各種結晶鉱物の熱電3物性(電気伝導度、ゼーベック係数および熱拡散率)を評価することで、700℃において熱電性能を示す無次元性能指数ZTが0.015を示すことを明らかにし、高温熱電変換材料という応用への可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本はエネルギー自給率が低く1次エネルギーの需要が高い。産業活動における廃熱は推定約1兆kWと膨大である。カーボンゼロ社会実現に向けては、この廃熱を有効利用することがエネルギー効率向上と環境負荷低減の観点から重要である。そのため廃熱を直接電気に変換可能な熱電材料の重要性が高まっている。従来の熱電材料はBiTeなど有毒・希少・高価な元素が利用されているが、本研究において、無毒・豊富・安価な環境調和型の熱電材料創製に成功した。この成果は熱電材料の代替材料となるものであり学術的意義は大きい。また、日本のカーボンゼロ社会実現に向けて、特に産業廃熱の利用を可能にする点において社会的意義が大きい。
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