研究課題/領域番号 |
22K19004
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
芥川 智行 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (60271631)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 強誘電体 / ダイナミクス / イオン伝導 / イオンチャネル / 液晶 / アルキルアミド / 水素結合 / イオン変位 / イオン伝導体 / 柔粘性結晶 / 分子反転 / クラウンエーテル |
研究開始時の研究の概要 |
電場 (E)-分極 (P)曲線にヒステリシスを有する強誘電体は、不揮発メモリやスイッチング素子に必要不可欠な材料である。その多くはBaTiO3やPZT (PbTiO3-PbZrO3)などの無機材料であり、レアメタル使用・毒性・コストなどの観点から低エネルギー駆動でSDGsに貢献可能な省エネルギー駆動型の有機強誘電体に注目が集まっている。強誘電体の性能はP-E ヒステリシス曲線における残留分極値 (Pr)と抗電場 (Ec)により決定される。本提案では、新たな分子設計によるPrの自在制御に挑戦し、外部電場によりPrが増幅される「イオンブースト型の有機強誘電体の創製」に挑戦する。
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研究成果の概要 |
電場 (E)-分極 (P)曲線にヒステリシスを有する強誘電体は、不揮発メモリやスイッチング素子に必要不可欠な材料である。強誘電体の性能はP-E ヒステリシス曲線における残留分極値 (Pr)と抗電場 (Ec)により決定され、より大きなPrとより小さなEcを持つ材料がデバイスの安定駆動と省エネルギー化に有利である。本提案では、「イオン輸送+アルキルアミド鎖」の分子設計によりイオン伝導性と強誘電性のハイブリッド化を試み、外部電場によりPrが増幅される「イオンブースト型の有機強誘電体の創製」に挑戦した。イオン変位が可能なチャネルを設計し、これを強誘電性アルキルアミド誘導体に共存させた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
無機材料では実現が難しい多様なメカニズムである電荷移動、水素結合、プロトン移動、分子反転などの多様な分極反転メカニズムの設計が有機材料において可能である。今回、新たにイオンチャネル内のイオン変位を利用した強誘電体パラメーターの最適化に成功した。強誘電体ヒステリシスにおける分極値の増加は、オン・オフスイッチング特性を向上し、強誘電体から作られる不揮発性メモリの信頼性を向上させる。有機強誘電体メモリは、軽量化およびそのデバイス構造作成にかかるコスト削減の観点から、次世代の低環境負荷メモリ材料として大きな注目を集め手いることから、多様な動作メカニズムの提唱は、今後のさらなる学術的な発展を可能とする。
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