研究課題/領域番号 |
22K19024
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
鷹谷 絢 東京工業大学, 理学院, 准教授 (60401535)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 有機合成化学 |
研究開始時の研究の概要 |
動的共有結合として炭素-亜鉛結合を活用した自己組織化化学の開拓に挑戦し,亜鉛含有巨大三次元構造体の自在構築法を確立するとともに,高反応性の亜鉛部位を活用したナノ炭素材料の効率的合成法の開発に取り組む。適切に設計した前駆体分子を用いて亜鉛化反応を動的かつ熱力学支配的に行うことで,様々な亜鉛含有巨大三次元構造体(リング,ケージ,ワイヤー,シート)を合成する。これらの酸化的カップリング反応により,ナノ炭素材料の効率的合成を達成する。
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研究実績の概要 |
アリールボロン酸エステルとジアルキル亜鉛のトランスメタル化反応について,ホウ素オルト位の置換基効果について知見を得るべく検討を行った。その結果,オルト位にPPh2やPCy2基を持つアリールボロン酸エステルだけでなく,メトキシ基やジメチルアミノ基。メチルチオ基,クロロ基,シアノ基,エステルなど様々な官能基をもつもので反応が進行し,対応するジアリール亜鉛が高収率で得られることを見出した。これらの結果は,オルト位置換基が配向性官能基として働き,亜鉛の接近をアシストするとととみに,生成物を安定化していることを示唆している。しかしならが,配向性官能基としては弱いクロロ基を用いた場合でも反応が進行したことから,その効果の起源についてはさらなる調査が必要である。 また得られたジアリール亜鉛の結晶化とX線構造解析にも成功し,その構造を明らかにすることができた。 また得られたジアリール亜鉛に対してバナジウム酸化剤を作用させることで,炭素ー炭素結合生成反応が進行し,ビアリール化合物が得られることも見出した。これらの知見は,超分子亜鉛構造の構築とナノ炭素材料の合成に向けた基礎的知見として重要なものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
オルト位官能基の適用範囲を明らかにし,いくつかのジアリール亜鉛の構造決定に成功したから。
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今後の研究の推進方策 |
亜鉛含有自己組織化体の形成に向けた原料合成(ジボロン酸合成)を進める。現在,目的化合物の少量合成には成功しているものの,スケールアップには成功しておらず,収率向上に向けた反応条件の検討に鋭意取り組む。
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