研究課題/領域番号 |
22K19028
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大野 浩章 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30322192)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 金触媒 / ビニルカチオン / お椀型分子 / π共役系 / 連続反応 / フェナントレン / ジベンゾフルオレン / ベンゾフルオランテン / インドール / π共役分子 / ひずみ分子 |
研究開始時の研究の概要 |
お椀型構造を有する高度π共役系分子は、特異な構造に由来する物理化学的性質から、次世代型有機材料として注目されている。このような化合物を合成する上では、「通常平面的な構造を有する高度π共役分子をいかにして曲げながら作るか」が課題となる。一般的には、sp3炭素を有する基質を利用して炭素骨格を構築してから芳香化することが多いが、本研究においては、ビニルカチオン中間体において一時的に発生するsp3炭素を活用して、直接的にπ共役系を構築することを試みる。すでに成功しているアセナフテン合成法と縮環インドリン合成法を基盤として、縮環フェナントレン、コラヌレン、および高度縮環型π共役系分子の合成を行う。
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研究成果の概要 |
独自のビニルカチオン発生法を駆使したお椀型π共役分子の合成法の開発を目的として、縮環フェナントレンおよびコラヌレン型分子の合成に関する検討を実施した。その結果、ナフタレンテザーを有するアレンインに対して金触媒を作用させると、基質構造と反応条件によって、目的のシクロペンタフェナントレン誘導体に加え、ジベンゾフルオレン誘導体が生成することを見出した。さらに、得られたシクロペンタフェナントレンをベンゾフルオランテンに変換することにも成功した。さらに、ピロール環をテザーとするアレンインを用いた予備的検討においては、アシル基を有するインドール誘導体が中程度の収率で得られることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
お椀型π共役系分子は、特異な構造に由来する物理化学的性質により、次世代型有機材料として注目されている。その合成においては、曲がったπ共役系を構築する必要があるため、sp3炭素を有する基質を利用して炭素骨格を構築し、その後に芳香化するのが一般的である。本研究において我々は、最初の環化中間体において一時的に発生するsp3炭素を活用することで、容易に曲がったπ共役系を構築できることを示した。さらに、本方法論が独自のお椀型π共役系分子の構築や、コラヌレン型分子の創製に有用である可能性を示した。
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