研究課題/領域番号 |
22K19030
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
新谷 亮 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (50372561)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 多環芳香族化合物 / 重合反応 / 縫合重合 / アルケン異性化 / 鎖切断反応 |
研究開始時の研究の概要 |
拡張π電子系に基づく機能性有機材料の開発において、既知の合成法を駆使しても望みの構造や機能をもつ分子が確実かつ容易に合成できるわけではない。本研究では、入手容易な低分子化合物を一旦重合することで、その方法以外では合成が困難な繰返し構造をもつπ共役ポリマーへと導き、生じた繰返し単位を低分子として切り出すことにより、従来法では実現困難な画期的低分子化合物合成法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
近年、拡張π電子系に基づく機能性有機材料の開発・利用が盛んに行われているが、アクセス可能な分子骨格には大きな制限がある。本研究では、新たな縮環型多環芳香族化合物の合成法として、鎖状分子の重合反応による多環芳香族ユニットをもつポリマーの形成とそれに続く鎖切断からなる新たなプロセスの開発を目指した。その結果、縫合重合とそれに続くアルケンの異性化による四環性の縮環型芳香環を繰返し単位にもつポリ(アリーレンビニレン)の合成法を確立した。また、得られたポリマーの鎖切断についても様々な条件検討を行い、低分子量体の発生まで確認することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、別々の研究分野として捉えられがちな低分子有機化合物の合成と有機高分子合成の垣根を取り除き、従来の合成法ではアクセス困難な低分子化合物の精密合成において、ポリマーを経由する「重合反応+鎖切断」というアプローチを新しい有効な選択肢として示し、方法論として確立することを目標とした。今回の研究期間では一定程度の進捗であったが、その成果は将来的な新しい方法論としての展開につながるものであり、学術的な意義は非常に大きいと考えられる。
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