研究課題/領域番号 |
22K19034
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山下 建 (アルブレヒト建) 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (50599561)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 電界触媒反応 / ナノギャップ電極 / 電気二重層 / 異性化反応 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、「電界」を触媒とする化学反応は理論計算や酵素の特異な反応性との関連から注目されている。電界触媒反応の達成には、基質に1 V/nmオーダーの強い電界を印加する手法が必要であり、本研究では新たな手法としてナノギャップ電極による直接的電界印加手法を提案する。従来よりも大きなナノギャップ表面積を持つナノギャップ電極を利用することで電解質フリーな環境で電界を触媒とした化学反応が進行することを実証する。
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研究実績の概要 |
ナノギャップ電極を自作するための検討を実施してきたが再現性高くナノギャップ電極を作成することは困難であった。外部の研究者からナノギャップ電極の提供を受けたため、それを用いた電界触媒反応の実施を検討すべく準備中である。 本年度は前年度に検討を開始した電界を触媒とした反応を実現するためのもう1つの手法として電極-電解液界面に生じる電気二重層に着目した研究に注力した。ジピリジルテトラジンと2,3-ジヒドロフランのDiels-Alder付加体が異性化(再芳香族化)してアルコールが生成する反応について、室温では進行しない条件であっても電気二重層を形成した電極がある場合には反応が進行することを確認した。さらに、15-35℃で反応速度を算出することでアレニウスプロットを作成し、活性化エネルギーを求めることが出来た。電界がない場合には22.5 kcal/molであった活性化エネルギーが電界を印加することで8-10 kcal/mo程度に低下することが明らかとなった。なお、印加電圧範囲では作用極、対極ともに電気分解が起きる電位ではないことを確認した。以上のことから電気二重層のような界面に生じる強い電界を用いることで、電気二重層内に拡散してきた基質が反応する際の活性化エネルギーを低下させて反応を加速することが可能であることが明らかとなった。電界を触媒として反応を加速するというコンセプトの実証が出来たものと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ナノギャップの自作は難しいことが明らかとなった。一方で電気二重層を用いて反応系に電界を印加するというコンセプトは実証できており、一定の成果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
外部から提供を受けたナノギャップ電極を用いた検討を実施するとともに、電気二重層を用いて電界を印加して反応加速を実現した系について論文化する。
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