研究課題/領域番号 |
22K19037
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
熊谷 直哉 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (40431887)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | マクロサイクル / キノリン / インドール / 金属錯体 / 触媒 / ポルフィリン / 光物性 / キラリティー / 超分子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,既存骨格から脱却した独自デザイン分子の創出・合成に特化し,既存分子では到達不可能な化学現象を追求する。ポルフィリンの構造特性である,剛直環状構造・4つの内向性sp2窒素を踏襲する非平面warped-porphyrinとして,キノリンオリゴマーであるTEtraQuinoline(TEQ),その8水素還元体TEQ-H8,ならびにインドールも利用したLinked Quinolino Indole(LQI)をデザインした。キノリンによる非平面キラルwarped-porphyrinの化学を推進し,ポルフィリン2.0と称されるまで特性・機能確立を進めていく。
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研究実績の概要 |
本研究は,既存骨格から脱却した独自デザイン分子の創出・合成に特化し,既存の分子では到達不可能な化学現象を追求するものである。ポルフィリンはその剛直環状骨格内部に4座型窒素配位空間を有し,様々な金属カチオンに対して強固な金属錯体形成が可能であることから,広範な生命化学反応の触媒活性部位として利用されるに留まらず,人工の色素材料・発光材料・触媒反応,さらには超分子形成のユニットとしても利用される超機能性一大分子群を形成している。ポルフィリンの構造特性である,剛直環状構造・4つの内向性sp2窒素を踏襲する非平面warped-porphyrinとして,キノリンオリゴマーであるTEtraQuinoline(TEQ),その8水素還元体TEQ-H8,ならびにインドールも利用したLinked Quinolino Indole(LQI)を新たにデザインし,合成ならびに機能評価を進めた。TEQの再現性の高い安定供給が可能となる合成法を確立し,各種遷移金属と立体型錯体を形成し,Zn(II)選択的に大幅な蛍光強度増強が起こることを見出した。Fe(II)錯体は各種酸化反応を促進することを突き止め,不斉触媒化の糸口を得た。キノリンの連結様式をhead-to-tail型からhead-to-head型にした亜種の合成にも成功し,X線結晶構造解析から4つの窒素は異なる相対位置を呈することを明らかにした。キノリン2ユニットをインドールとしたLQIの合成法も確立し,2価の金属と中性金属錯体を与えることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
TEQは合成法を確立し,その供給法を元に多様な機能を明らかにすることで,その成果はハイインパクトの国際学術誌に掲載されるに至った。当初の予定になかったhead-to-head型分子の創出や,困難が予想されたLQIの合成法の確立も初年度に完了できたことから,当初の計画以上の速度で研究が進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
TEQの触媒機能と光学特性の拡充を図る。容易に光学分割可能であることから,TEQ/Fe(II)触媒による反応の不斉化を検討する。また,より多様な反応促進が期待されるRu(II)錯体の構築も推進し,新規立体型4座配位子としてのプレゼンスを高める。TEQの外郭は容易に変換可能であることから.π拡張により光学特性の変調の可能性も探る。head-to-head型の亜種は,TEQと異なる金属嗜好性を示していることから,その構造相関も深く吟味していく。TEQの還元体であるTEQ-H8とLQIは共に2価金属カチオンと中性錯体を形成することから,TEQのカチオン型金属錯体と比較しながら精査していく。
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